ついに始まる「新NISA」活用法 経済アナリストが「リスクを取った方が“非課税枠”のメリットは大きい」と説く“合理的”な理由
2024年、つまり来月から「新しいNISA」の制度が導入され、非課税で投資ができる枠が拡充されることになる。投資を始めるきっかけにもなれば、これまでの投資法を再検討するきっかけにもなろう。“初心者”から“玄人”まで必見、新進気鋭の経済アナリスト森永康平氏(株式会社マネネCEO)が語る独自のNISA論。
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そもそもNISAとは、投資を行う際の「税制優遇制度」です。通常、投資によって得た利益に対しては約2割の税金がかかるのですが、NISA制度を活用して口座をつくれば、一定の範囲内でその利益が非課税になるというわけです。
それが2024年から、大きく拡充されることになります。投資に関心のある方にとっては非常に魅力的な制度であると思いますので、改めて投資というものを考えてみる良い機会になるのではないでしょうか。
それでは、制度の変更点から見ていきましょう。
大幅に拡充
まず大きいのは、これまでどちらかを選ばなければならなかった「つみたてNISA」と「一般NISA」が、併用できるようになったことです。それぞれが「つみたて投資枠」「成長投資枠」と呼び名は変わりましたが、片方だけでなく両方とも使えるようになったということですから、大きな改善といえるでしょう。
それに伴い、非課税口座での保有限度額が上がったのも大きいです。これまでは「つみたて」なら800万円、「一般」なら600万円と制限されていたのが、「合計で1800万円」となりました。
年間の投資枠も、「つみたて」が40万円から120万円と3倍に、「一般」が120万円から240万円と2倍に引き上げられています。
保有期間についても、これまでは「つみたて」で20年、「一般」で5年だったのが、無期限とされました。
つまり、2つのNISAが併用できるようになった上、非課税で投資できる額が大幅に上昇。さらに期限も取っ払われたわけですから、非常に大きな拡充であることは間違いないといえるでしょう。
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