ガサ入れで捜査が本格化「ビッグモーター」“ジュニア”の素顔 恐怖の「土下座事件」と口癖だった「俺、ハーバード大卒なんだ」
「マイナス40点」査定
「店舗の巡回ルートは事前に決まっているため、環境整備点検が行われる日は対象店舗の店長が敷地入り口で“ジュニア”を出迎えるのが慣例でした。しかしX店の店長が当日、顧客からのクレーム対応に追われ、出迎えに間に合わなかったことがあった。すると“ジュニア”は店長の姿が見えないことを理由に、敷地内に入らずそのまま店舗を素通りしてしまったのです。それを知って慌てた店長が『副社長はいま近くの飲食店で昼食を取っている』と聞きつけ、その店に飛んで行って“ジュニア”の足元に土下座して平謝りしたそうです」(同)
しばらくして店舗に戻って来た店長は「ひたすら土下座して謝罪した。最初『マイナス40点』の店舗評価を付けられたけど、最終的に機嫌を直してくれて『プラス60点』になった」と安堵した面持ちでスタッフらに打ち明けたという。
「仮に『マイナス40点』のままだったら店舗スタッフ全員のボーナスが“ゼロ”になるところだったため、皆がホッと胸を撫で下ろしました。ただプライドも何もかもかなぐり捨て“ジュニア”の足元に這いつくばった店長の姿を想像すると、同情と軽蔑の入り混じった何とも言えない感情に襲われました」(同)
「ハーバード大卒なんだ」
宏一氏がビッグモーターに入社したのは12年。同社取締役に就任したのは、米ロチェスター大学に留学してMBA(経営学修士)を取得した後の15年12月という。
同社元社員の話。
「宏一氏に関しては“虚勢を張る”ような一面はあったかもしれませんが、『頭が良く、有能な人』と評価する声もあります。実際、数字を上げた社員にはきちんと接していて、彼らからの評判は悪くない。一方で成果を上げられない社員には厳しく、LINEで『降格』や『クビ』を示唆するパワハラまがいの言葉で詰められた者もいます。ただ本人は単なる“世間知らずで高慢なボンボン”というより、コンプレックスも抱えた複雑な人物だったとの印象です。たとえば環境整備点検が終わり、対象店舗の店長らが宏一氏を繁華街に連れ出して接待した際、彼はよく隣についた女の子に『僕、ハーバード大卒なんだ』と冗談とも本気ともつかない口調で“自慢話”をしていた。宏一氏に対する好き・嫌いは別にして、社員の多くが内心では“会社の中でしか威張れないヒト”と見ていたように思います」
捜査の手はロイヤルファミリーにまで及ぶのか。ビッグモーター社員らも固唾を飲んで推移を見守っているという。