「反社に利益供与」疑惑で東証プライム上場企業「三栄建築設計」を奪われた社長の悲憤
思惑が一致
では、S社員はなぜ事件をでっち上げたのか。
「私に対する恨みを持っていたからです。Sは自身の申し出により退職したことになっていますが、管理物件で不正が判明し、子会社の課長から主任に降格のうえ、退職させられたというのが真実。一方で、警視庁は暴力団の組長と上場企業のトップを一網打尽にして手柄を立てようとしました。Sと警視庁の思惑が一致したわけです」
S社員の証言をもとに、警視庁はのべ150人に及ぶ社員の事情聴取を繰り返したものの、小池元社長が組長と直接取引した証拠は得られず終いだった。しかし、メディアの取材攻勢に遭い、同時に、金融機関から融資を渋られるようになったことから辞任を決意。昨年11月開催の取締役会で社長を退いた。
そして今年6月の勧告を境に、「オープンハウスグループ」による買収へと一気に動き出したのである。
「週刊新潮」2023年12月21日号「MONEY」欄の有料版では、三栄建築設計幹部とのやりとりをはじめ、小池元社長が6割超の保有株を手放した経緯を詳報する。
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