「総理の生殺与奪権を握るのは麻生副総裁」 岸田総理をイライラさせている「次期総理候補」とは?
焦った総理が頼った人物は?
かくして訪れた岸田政権危急存亡の秋(とき)。しかし総理ははじめ、この問題に関して高をくくっていたようだ。
自民党関係者が言う。
「総理は当初“捜査状況を見守るしかない”と悠長に構えていたのですが、連日の報道を受けて、次第に問題の深刻さを認識するようになった。7日に突然、派閥会長を辞任すると発表したのも焦りの表れです」
無論、問題はそんなことで収まるはずもなく、
「総理は周囲の助言もあり、安倍派の政務三役(大臣、副大臣、政務官)総勢15人をその任から外す方針に傾いたのです。これは、総理にとっては大きな決断でした」(同)
最大派閥・安倍派の排除は、政権の枠組みの根本的な変更を伴う。ゆえに、党の実力者の了承を得る必要がある。総理が意を決し、最初に対峙したのが、故・安倍元総理と並んで自身の後ろ盾と頼ってきた麻生太郎副総裁(83)だ。総理は9日午後6時過ぎから公邸で約2時間、麻生副総裁と向き合ったのだが、
「安倍派政務三役の中には、問題のない議員も含まれるはず。麻生副総裁は“一律に安倍派を排除するのはいかがなものか”と眉をひそめたと聞いています」(同)
“岸田総理だって統一教会と…”
その翌日、冒頭の店で髪を整えた総理は午後3時から約1時間、東京・虎ノ門のホテルオークラで萩生田光一政調会長(60)と会談。続けて午後4時から30分間、森山裕総務会長(78)と首相公邸で面会すると午後6時ごろからは約1時間、茂木敏充幹事長(68)とも公邸で膝をつき合わせたのである。
「萩生田政調会長が“安倍派排除”に真っ向から異を唱えるのは当然ですが、森山総務会長も総理との面会後、周囲に対して一方的な“安倍派排除”に懸念を表明しています」(同)
総理の決断を支持しなかったのは党の幹部だけにとどまらない。
「“安倍派政務三役全員交代”が報じられるようになると、安倍派の所属議員からは“まだ、捜査が済んでいないのに、筋が通らない”“当選回数の少ない若手の経歴を傷つけるのか”と怒りの声が噴出しました。なかには、“岸田総理だって統一教会と写真を撮った問題が指摘されているじゃないか”と自分たちの派閥の問題を棚に上げて、総理をののしる議員まで現れました」(先のデスク)
結果、総理は改造人事に関して手足を縛られかねない状況に陥ったのである。
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