「ホステスにキス強要、首絞め」 前代未聞、2代続けて「セクハラ」「性加害」ENEOS前会長の「銀座では普通だよ」という酷い言い草
「昭和のサラリーマンを絵に描いたような人物」
1955年、石川県に生まれた杉森氏は、県内トップの進学校から一橋大学商学部に進学。79年に卒業後、当時の日本石油に入社した。最初の10年は製油所や本社の人事部門を渡り歩いてきたが、“現場を知りたい”と自ら志願して販売畑に異動。以降、全国各地の特約店から街場のガソリンスタンドまで昼夜を問わず駆けずり回って、社内で頭角を現す。
現在はENEOSを含め国内の石油元売り大手は実質的に3社しかないが、バブル崩壊前は十数社がひしめく戦国時代。業界再編が進む中、杉森氏は「大きな統合にはすべて参画してきた」(「PRESIDENT」2018年9月3日号)と豪語している。
実際、99年に日本石油と三菱石油が統合された際は販売企画課長として、新ブランド「ENEOS」の誕生に尽力。2017年に東燃ゼネラルと統合した翌年、グループのホールディングス社長となり、20年には「ENEOSホールディングス」に社名変更してブランド統一を成し遂げた。
経済誌の記者が言う。
「社内の野球部に所属していた杉森氏は、根っからの体育会系の気質の持ち主で、夜の赤坂を根城に子飼いの部下と杯を重ねてきました。社長就任後は、盛り場で人事が決められたと報じられたこともあるほどの酒豪で、取引先とも宴席を重ねることで信頼関係を築くタイプ。たたき上げでのし上がる、昭和のサラリーマンを絵に描いたような人物です」
キスを強要
杉森氏が“事件”を起こしたのは沖縄県那覇市の中心部にある歓楽街・松山。数多くの飲食店が軒を連ね、“眠らない街”として知られる沖縄最大の盛り場だが、その中でも地元の名士たちが集う老舗の高級クラブでトラブルは起きた。
午後8時半頃、杉森氏は沖縄の得意先である石油販売会社の幹部らと連れ立って来店したという。
すでに酔いが回り上機嫌だったという杉森氏らは、店のVIPルームである個室へと案内された。
「彼は隣に座った初対面の30代女性ホステスをいたく気に入った様子で、手を握り始めたのですが、だいぶ酔っ払っていて、自分の方に引き寄せようと手首を強くつかむなどしていた。それが10分くらい続いた途端、大声を出して彼女を抱き寄せたのです」
そう明かすのは、同店の内情を知る関係者だ。
「持ち込みのワインを飲み出して気持ちが大きくなったのか、杉森さんは彼女のドレスの中に手を入れて、胸を触り始めました。それには飽き足らず、ついにはキスを強要した。彼女の肩に手を回し、その腕で強引に首を絞めるような恰好で唇を奪ったのです」
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