5千万円以上の金を受け取った議員も… 自民党裏金騒動で何人の議員が立件される?
「検事にかみついてしまった」
特捜部の捜査が異例の大規模になることは必定だ。
「秘書に関しては、聴取しなければならない人数がかなり多いため、地検側が自民党の顧問弁護士側に聴取対象者のリストを渡しています。顧問弁護士はそのリストを元に、聴取に応じる日程の調整をしています」(前出・清和会関係者)
すでに聴取を受けた男性秘書は、
「検事さんからは“収支報告書の趣旨を理解していますか?”といったことも聞かれたのですが……」
と、こう振り返る。
「収支報告書の理屈は最初からつじつまが合ってない、とかみついてしまいましたよ。不記載罪の時効は5年なのに、収支報告書の領収書の保存期限は3年ですから。昔の領収書なんて取ってあるものですかと検事さん相手に言ってしまいました」
キックバックに関する“秘密ルール”
ベテラン秘書(前出)も、
「収支報告書だけではなく、そもそもパー券というのが相当インチキで何でもありなのです。パー券は1枚2万円。でも、20万円払うけど1枚でいいっていう人もいるし、4万円しか払えないけど6枚くれって人もいる。事務所としてはそれにいちいち付き合うのです」
さらに、別の代議士秘書はこれまで報じられていない、キックバックに関するある“秘密ルール”についても証言する。
「参院議員の場合、6年ごとの自分の選挙の年はパー券のノルマが解除され、売った分を全額自分のものにできる。やはりこれも収支報告書に記載しないのが慣例で、衆院安倍派はそのことをうらやましがっていた」
直近5年で参院選が行われたのは、19年7月と、22年7月の2回。前者の時の事務総長は下村元文科相で、後者の時は西村経産相。果たして二人は、「全額裏金化ルール」を把握していたのだろうか。
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