「お手本にならない大人」の定義を詰め込んだ不思議ドラマ「すべて忘れてしまうから」
不意に姿を消す、後腐れなくしれっと裏切る、いいかげんだが優しいうそをつく。知っていることのすべては言わない。人の名前や顔や属性を覚えていないが、話を合わせる技術とずうずうしさは持ち合わせている。人と広く深くは関わりたくないが、寂しい夜もある。飲み屋に必ずいるであろう「決してお手本にはならない大人」の定義を詰め込んだ不思議なドラマがある。「すべて忘れてしまうから」だ。
名優とコアなミュージシャンを豪華にそろえているが、主軸がいい意味で曖昧なまま、過去と現在を重ねて物語は進む。...