ついに安倍派に斬り込んだ最強の捜査機関「東京地検特捜部」、黒歴史からの復活劇
森本氏による再生
「検察が事件をやればそれだけ、情報提供が増えることになるそうです。それこそ笠間氏が特捜部長の時代には“よりどりみどり”で、いくらでも事件ができたということでした。森本氏が主導して事件をやるようになって、特捜部には情報提供が一気に集まったといいます」(同)
森本氏は特捜部長を退任して津検事正を経て、東京地検次席、そして最高検刑事部長を務めている。
「その後の特捜部長は森本時代のやり方を踏襲して仕事を進めている印象がありますね。東京に戻ってきてからは森本氏が実質的な指揮官として事件に関与していると指摘する声がもっぱらです。政界に斬り込むには検察の捜査体制の充実も必須なのですが、その辺りも整えられた印象があります」(同)
森本氏によって再生された特捜部が満を持して手掛けたのが、今回の事件捜査だったということのようだ。
特捜部の死角
そんな特捜部の捜査にも「死角」のようなものがあるという。
「森本氏の魅力についてかつて法務検察幹部に尋ねたことがあります。“押し出しの強さ、ふてぶてしさ、権力を気にしない突破力が評価できる。地方勤務など不要だからそのまま垂直に(検事)総長まで上がっていけばいい。誤解されがちなのはそれの裏返しになるけれど、声が大きすぎること(笑)。本人は全く意識していないみたいなんですが、声がデカすぎて発言がパワハラ、モラハラ気味に捉えられる可能性がある”といったものでした。現在は最高検の刑事部長の立場ですから、現場の検事にダイレクトに指示・指導することはないでしょうから、そのリスクはかなり低そうではありますが」(同)
差し当たって、全国から集められた検事らがクリスマスと正月返上で、通常国会開幕までの間隙を縫って捜査を一気に進めているという。かつての検察ならあり得ないことだが、休暇を返上した分の補償が約束されているか否かにもにわかに注目が集まっているようだ。