害獣「キョン」が千葉県で7万頭超え…「実際はもっと多い」、年間200頭捕獲の“名人”も困惑する繁殖力
「駆除して捨てればいいのか」
“キョンvs千葉県”の厳しい実態――。そんな激戦の裏では、キョンの肉を食べて消費しようという動きもある。千葉県いすみ市で、ジビエの加工施設「ちばジビエの森」を営む永島理氏によると、
「キョンの肉は、悪い意味でのクセはなく、肉質も柔らかいのでおいしいですよ。台湾では高級食材として扱われているくらいです。脂身が少ない赤身肉なので、筋トレをしている人にはぴったりではないでしょうか。バーベキューで、骨が付いたまま豪快に焼いて食べるのがオススメです」
ジビエに抵抗のある方に向けては、
「ジビエに臭みがあるというのは、もう昔の話です。きちんと処理さえされていれば、おいしく食べられる時代です」(同)
とはいえ、特定外来生物であるがゆえに、キョンの肉に価値を与えるわけにもいかない事情もあるといわれるが、
「やはり、生き物の命を奪う以上、それを食すというのは最低限の行いであるように思います。それもまた人間側の勝手な考え方なのかもしれませんが、いくら撲滅対象であっても、キョンの命もかけがえのないことに変わりはありません。駆除して捨てればいいという話でもないのではないでしょうか」(先述の石川氏)
いつかは根絶されうる“害獣の味”。通販やふるさと納税の返礼品としても手に入るというから、興味のある方は、いまのうちに試してみてはどうだろうか。