新庄劇場シーズン3はマジでヤバい…強力補強、栗山英樹氏が加わるトロイカ体制のウラ事情
山﨑獲得の背景
山﨑は、新庄監督と日本ハム球団の熱心な誘いが功を奏した。獲得に名乗りを挙げたのは、東京ヤクルト、横浜DeNA、巨人、福岡ソフトバンクなど。その5球団による争奪戦のなかで、東京ヤクルト、横浜DeNAはオリックス時代と同じ背番号「11」を用意し、巨人は先発ローテーション入りを確約した。福岡ソフトバンクは最高額の「4年12億円」を提示した。
「日本ハムは山﨑の入団会見で、中学時代に脳腫瘍で手術を受けた際の執刀医を招待しました。実は北海道で手術を受けていて、山﨑自身、『命を救ってもらった場所』と語り、執刀医から花束を受け取り、感激していました。日本ハムは今も山﨑が重病の子どもたちの慰問を続けていることを知っていて、交渉の席で敬意を示していました。だから、シンプルな『いっしょにやっていきたい』の言葉でも、山﨑に響いたんです」(前出・地元メディア関係者)
父・章弘氏も日本ハムOBである。昨年オフ、オリックスからFA移籍してきた捕手の伏見寅威(33)や、金子千尋ファーム投手コーチ(40)も在籍している。彼らからグラウンド外の活動も聞かされていたのだろう。
「日本ハムは14日にツインズのアンドリュー・スティーブンソン(29)の獲得を発表しました。アベレージヒッターで、近年はパワーが付いてきた感じです。肩の強さは普通ですが、俊足で守備範囲の広い外野手です。興味深いのは、球団が『センターがしっかり守れる外野手がほしい』と、細かい指示を出して探していたことです」(同)
これまでにはない外国人選手の調査方法が行われた。23年シーズンのデータを見ると、センターを任されてきた選手は五十幡、江越、松本など。守備面での心配はないが、「センターの守備に就いた選手」の平均OPS(出塁率と長打率を足した値)は5割4分4厘。12球団ワーストである。スティーブンソンの獲得は、ピンポイントで弱点を補ったことになる。補強に力を入れてきた理由は、何とか最下位を脱出したいということだけではない。
「清宮幸太郎(24)、野村佑希(23)らに安定感が出てきて、新4番・万波中正(23)も侍ジャパンに選ばれました。球団は彼らが一人前になるにはもう少し時間がかかると思っていましたが、もう一人前になった。それもあって来季は補強にも力を入れ、勝負すべきだと考えたのです」(チーム関係者)
若い野手陣が成長してきたからこそ、これからは勝ちに行くというわけだ。侍ジャパン前監督の栗山英樹氏(62)を呼び戻したのも、その一環だという。
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