妻が離婚届と一緒に突き付けた「不倫相手からのエグ過ぎる贈り物」 50歳夫は「今思えばとんでもない女」「僕は何をしたんでしょうか」
ひっかかった「とんでもない女」
彼自身は、その状況を維持したいと考えていた。それなのに、とんでもない女にひっかかってしまうのだ。
「今思えば、とんでもない女なんですが、当時は僕に対して深くて強い愛情をきちんと見せてくれる女性だと心惹かれたんです」
それはコロナ禍直前のことだった。取引先から新しい担当者である女性を紹介されたとき、彼は心を鷲づかみされた。彼女の目がまっすぐに彼を射貫いたからだ。
「娘が赤ちゃんだったころ、僕は見抜かれていると思ったことがあるんです。『おまえがどんな男かわかってるよ』と赤ちゃんに言われている感じ。彼女はそのときの娘のような目をしていました」
担当となったリカさんは「よろしくお願いします」とさっと手を出した。あとから聞けば海外生活が長かったため、挨拶は握手が基本だと思っていたようだ。
「彼女とはそれから仕事でよく会うようになりました。あるとき彼女を含めて数人で会議をしたんですが、議論が紛糾したことがあった。遅くなったのでみんなでちょっと食事でもということになって中華料理に行って。さっきまでいちばん言いたいことを言って議論を紛糾させた張本人の彼女が、今度はすばらしいまとめ役になった。5,6人いたんですが、それぞれから苦手なものを聞き出し、『勝手に注文していいですね』と言質をとってパッと注文してくれて。正直でストレートで、周りに丁寧に配慮するというよりは誰もイヤな思いをしない範疇で物事をさっさと決めていく。妻の智佳子とはまったく違う、かっこよくて潔い女性でしたね」
彼女の話し方、身のこなしすべてがきれいだったと彼は言う。ところがあるとき、仕事の流れでふたりでバーへ行くと彼女への印象が変わった。
「それまで彼女はあまりお酒を飲まなかったんですが、その日は仕事が一段落して、ちょっと打ち上げっぽくもあったのでホッとしたんでしょうかね。すごい勢いで飲んであっという間に酔っ払って……。酔うと悪口雑言がすごかったですよ、上司や同僚に対して。でも彼女の言わんとすることはわかるんです。『上にへつらってばかりいて』と同僚批判をし、『自分の立場ばかり守ろうとする』と上司を非難。正しいんですけどね、彼女の場合はそれを忖度なく言ってしまうので、彼女の社内では問題になっているようでしたね」
ヨシちゃんもそう思うでしょーと彼女は酔いでぐらぐらしながら言ったという。バーテンダーも苦笑いしていた。いいかげん帰ったほうがいいかなと立ち上がろうとすると、リカさんは「ヨシちゃん」といきなり首に手を回してキスしてきた。
「本当はドギマギしたんだけど、困ったなあ、酔っ払いはと笑うしかありませんでした。そのまま彼女を自宅に送り届けた」
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