「あざといアナ」を狙う森香澄が田中みな実になれない理由 「いつまでも少女」はただ幼稚なだけ?

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人気ドラマもあのフリーアナも抱える「顔のいい女性」の悩みの難しさ いつまでも「女の子」を良しとするのはテレビ界の構造?

 強いて言えば、そういう未熟な女性の方が、テレビ界の偉いおじさんウケするだろうことは想像に難くない。女子アナ30歳定年説も、29歳まではまだ「女の子」として、プロデューサーやMCの色に染められる余地があると思われているからだろう。

 ちょっとバカでもかわいいは正義。ちょっと鈍くてもかわいいは正義。そう信じてやまないおじさんの視線を、森さんが内面化しているのかもしれない。

 だからいつまでも「女の子」でいたい。余計な責任は負わず、大物の男性に地位と生活を守ってもらいたい。毛深いスタッフと食事なんて行かずに、ちょっと見栄えのいい仕事を週2回くらいして。本音がばれちゃったけどいいよね、みんなすぐ忘れるし。なんとなく、そんな危なっかしさが森さんからはうかがえる。

 話はそれるが、今期は「いちばんすきな花」の今田美桜さん演じる深雪夜々や、「セクシー田中さん」で生見愛瑠さんが演じる朱里ちゃんなど、美人ゆえのつらさを描くドラマが好評を得ている。フリーアナかつ女優デビューも果たした大先輩には、元TBSの宇垣美里さんがいる。彼女が言った「私には私の地獄がある」は、顔が良くて人生イージーモードに見える女性だって、その人なりの葛藤を抱えていることを世間に知らしめた。

 森さんの地獄とはなんだろう。あどけない美貌が衰え、注目を失うことだろうか。もしかすると、そろそろ大人としていろんなことに始末をつける時間だよ、と厳しいことを言ってくれる人がいないという地獄なのかもしれない。いやもう本当に、余計なお世話に過ぎないのだけれど。

冨士海ネコ(ライター)

デイリー新潮編集部

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