「あざといアナ」を狙う森香澄が田中みな実になれない理由 「いつまでも少女」はただ幼稚なだけ?
「女子アナ30歳定年説」を逆手に取った生き方とバラエティーにおける「後始末の下手さ」
わたしが森さんを知ったのは、「超汚いスタッフさんとごはん」「結婚して、それまでにスキルつけて、適当な事務所入って土日だけ働くつもり」など、古巣の人間をディスリまくった音声の主として報じられた時からだ。けっこうキツイ性格なんだなと感じたし、それでフリーになるからには顔とキャラのギャップで売っていくのかなと思っていた。
けれどもバラエティーでは、ただの「かわいい売り」に徹していて拍子抜けした。今年6月の「ダウンタウンDX」では、外見にコンプレックスがあるため給料の半分を美容代につぎ込んだと語った森さん。しかし在局時代からTikTokを駆使して、アイドル顔負けの美貌とダンスを発信していただけに、スタジオは微妙な反応に。
アンガールズ山根良顕さんは「『コンプレックスある』っていうの、みんなウソばっかし、って思ってますよ」、MCの松本人志さんも「気付いた? スタジオが一瞬、クーッってなった」と答えて沸かせていた。
最近では千鳥さんとの絡みも多いが、「チャンスの時間」では「(恋愛関係ではない)男友達ができない」「断っても追いかけられる」と大悟さんに語って「自慢話」と一蹴される場面も。相談中もほほを膨らませたり体を揺らしたりと、本気で悩んでいるようには見えない様子をツッコまれていた。
「女子アナ30歳定年説」と言われて久しいだけに、高値で売れる若いうちに退社して新たな道を行くという選択は理解できる。けれどもタレントに定年はない代わり、30歳以降もかわいさだけで売れる人はまずいない。かわいいだけのキャラで押し通せるほど純粋でもないが、かといって悪者に徹する覚悟もないままでは、彼女がバカにした多くの女子アナ同様に埋もれていくだろう。音声流出の件はうやむやになったままだが、辞め方にしてもバラエティーでの振る舞いにしても、思ったよりも後始末が下手な人だなという印象だ。
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