「あざといアナ」を狙う森香澄が田中みな実になれない理由 「いつまでも少女」はただ幼稚なだけ?
28歳を子どもとは思わないが、確かに考え方は幼い人なのかもしれない。グラビアデビューを果たして話題の、元テレビ東京アナウンサーの森香澄さんのことである。ファースト写真集発刊にあたって、「28歳という、まだ未熟だけど、子供ではない。大人のような。子どものような」という紹介文は良くも悪くも反響を呼んだ。
おそらく「セクシーな雰囲気の写真も、清楚な雰囲気の写真もあるから買ってね」というのを思わせぶりに、ポエムチックに書いただけのことだろう。とはいえ、世の28歳といえば職場では中堅に差し掛かり、人によっては子育てをしている年齢。芸能人だと土屋太鳳さんや川栄李奈さんといったママ女優もちらほらおり、他にも川口春奈さんや松岡茉優さんなど、脂の乗った世代といえる。彼女たちを指して、子どものようなというのは失礼にあたるだろう。
ただ森さんにとって、「子どものような」はプラスの意味を持っているに違いない。赤ちゃんのような肌とか、美容面で実年齢より若いものに例えられるのは褒め言葉になっている。「いつまでも少女のような」とか「あどけない」といった形容詞は、透明感や純粋さとイコールだ。
それは森さんを指して使われることの多い、「あざとい」とは真逆の価値観である。本人は「あざとい」と言われることは理解できるし褒め言葉だと思っているとコメントしていたが、あえて「あざとい」キャラを徹底するつもりはなさそうに見える。むしろ、「計算高くなんてない、かわいくて無垢な私」という印象でいきたいからこそ、ふわふわした紹介文になってしまったのではないだろうか。
局アナ時代の知名度を踏み台に、脱いで大人気に、という流れは田中みな実さんと重ねられることも多い。田中さんは「あざとい」をポジティブに転換した立役者だが、彼女と同じ路線をたどっても意味がない。それなら、キャラにとらわれずとにかくかわいい、かわいいで押し切れるところまでいく。森さんの振る舞いを見ていると、そんな行き当たりばったりというか、無計画な幼さが浮き上がってくる。
次ページ:「女子アナ30歳定年説」を逆手に取った生き方とバラエティーにおける「後始末の下手さ」
[1/3ページ]