城咲仁氏が語る「悪質ホスト問題」 発端は石原都政の歌舞伎町浄化作戦 テレビでは議論されない本当の問題点
ホストを管理せよ
城咲：お店の儲け分は払っているので、未入金ではあるものの、そのホストの売上は1000万円として計上してしまう店があるんです。すると“1000万円プレーヤー”としてお店のランキングの上位に入れて、新宿にいっぱい走っているアドトラック（宣伝カー）や歌舞伎町にあるビジョンの写真に収まることができるわけです。店側もホストを煽るためにそうした特別ルールを作るんです。
――その結果、ホストは無給となってしまうのでは？
城咲：ランキングの上位に入りたいという見栄ですよ。だから売れっ子といわれるホストでも、いいもの着ていなかったり、現金を持っていなかったりします。僕らの時代、ランキングに入ったホストはお金を持っていました。もっとも、そういうホストは給与はいらないと言いながらも、ウラでお客さんにお小遣いをもらったりする。それを店側が暗に認めてしまっていることも問題なんです。店側はもっとホストを管理しないとダメなんです。未入金ならば給与も支払わないしランキングにも入れませんというシステムにしなければ、ホストのやりたい放題はいつまでも続きます。
――お客にも問題があるという。
城咲：売掛で追い込まれた女の子が体を売る前に、そもそもそういう子を入場させないようにしないといけません。今、事件になっている例から言えば、お金を持っていない子に売掛で飲ませているのが一番の問題ですが、お金もないのに店に来る客もどうかと思います。10代だけど遊ぶ権利はあると主張して、立ちんぼしたり、ギャラ飲み（SNS等で募集される謝礼のもらえる飲み会）したり、パパ活したり、挙げ句、ホストクラブにお金が払えないなんて冗談じゃないでしょう。
――中には遊ぶだけ遊んで逃げる客もいるという。
モグリの店をなくす
城咲：実際、お金を払う気もなくホストクラブに行く子もいるんです。SNSには《○○飛んでやった》《△△、すごい飛びやすいよ》なんて書き込みも少なくありません。一概にホストだけが悪ということではないと思います。
――男性が行く店では、あまり聞かない話だ。
城咲：銀座の高級クラブで大学生の男の子が遊べますか？ 信用がなかったら飲めない世界ですから、お店にも入れてもらえないでしょう。おなじ“クラブ”という名称でも全然質が違うのです。
――改善するにはどうすればいいのか。
城咲：店がホストを管理できるシステムに戻す。お酒が飲めない20歳以下は店に入れないようにすべきです。決めごとのない一部のホストクラブには、10代の未成年の子が入りやすいわけです。老舗のホストクラブには未成年は入れません。未成年でも堂々と入れる店がまずダメ。お客さんもお金を持ってないなら行くな、それに尽きると思います。
――管理できない店は？
城咲：モグリで深夜営業しているホストクラブ、明朗会計にしていないホストクラブ、返済能力のない女の子に注意をしないホストクラブにもペナルティを科すルール作りが必要でしょう。
――売掛を廃止すべきという声もある。
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