「帰ってきたウルトラマン」主演の団時朗さん、当たり役に恵まれた“ウルトラ兄弟”との絆【2023年墓碑銘】

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ファン思い

 なかでも08年公開の「大決戦!超ウルトラ8兄弟」は、昭和と平成のウルトラマンが一緒に戦い、団さんら四人に関する物語も丁寧に描いて反響を呼んだ。

 同作の監督を務めた八木毅さんは言う。

「長い歳月が流れているのに主人公として演じたキャラクターが体にそのまま残っていて、この役をいかに大切にされていたかが伝わってきました。団さんは物静かで欲がない。“思うように撮れた?”と声をかけてくれました。演出の立場も気遣う繊細な人でした」

 ウルトラマンに変身した黒部進さんも述懐する。

「ファン思いで、イベントでも楽しそうにしていました。ビールのコマーシャルに一緒に出たこともあります。こんなに大事にしてもらえる作品に巡り会えて、私たち仲間は感謝しています」

 17年に肺がんが見つかる。治療をしながら仕事を続け、昨年もNHKのBSプレミアムで放送の「京都人の密かな愉しみ」に出演した。

 3月22日、74歳で逝去。

 齢を重ね見た目は変わっても、依頼がある限り郷秀樹を演じたいと語っていた。21年に「帰ってきたウルトラマン」の放送開始50周年のイベントで喝采を浴びた。今後も語り継がれる当たり役を得た果報者である。

デイリー新潮編集部

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