「結婚は来年か再来年かなあ」 蛙亭・イワクラがぼんちおさむに相談していた内容とは
「結婚は来年か再来年かなあ」
なんとも意外な組み合わせだが、この時、イワクラはおさむ師匠に対してこう語っていた。
「結婚は来年か再来年かなあ。今はまだ、結婚してからどう振る舞っていいのかが、よく分からないんです。結婚式は挙げたいけれど、どこまで人を呼べばいいのでしょうか」
40近くも年が離れた後輩から相談を受ける、ぼんち師匠とはどんな人物なのか。1970年代に交流があった放送作家の保志学氏はこう評する。
「おさむは勢いのある強烈な漫才が持ち味ですが、舞台を降りると意外に紳士的で人柄がとてもいい。80年代の漫才ブームの時はヘリで地方営業に向かうほど多忙を極めましたが、70年代は大阪・難波のいち漫才師として大変な苦労をしてきました。その後、古希を迎えた現在でも、若手や中堅に交じって全国の劇場にコンビ『ザ・ぼんち』として立ち続けています。そのようなさまざまな経験が、後輩の面倒見の良さにつながっているのでしょう」
「二人ともええヤツやからハッピーになってほしいわ」
では、イワクラと伊藤の結婚話がどうなっているのか、大阪の自宅までおさむ師匠を訪ねると、
「いらんことは言わへん、絶対に」
と、返されてしまったが、二人との関係を聞くと、
「イワクラとはこの前、初めて一緒にお昼ご飯を東京の劇場の近くで食べたんよ。伊藤の方とはその前からよくご飯を食べていて、実は僕の家にもちょくちょく遊びに来てる。わざわざ男女の関係を根掘り葉掘り聞くことはせんけど、二人ともええヤツやからハッピーになってほしいわ。そういえばこの前イワクラに、僕と伊藤と三人でご飯に行こうって声をかけたんやけど……。あいつら忙しいからなあ。僕は暇やけどね」
笑いながらも少し寂しそうにこう語った。師匠は二人のめでたい報告を、今かと心待ちにしているのだ。