「2週間で3頭のクマを撃った」「自動ドアを開けて子グマが郵便局に」 異常事態に直面するベテラン猟師の密着レポート
人家から50メートルのわなにかかったクマ
宮川さんは時にスコープをのぞきながら微妙な変化を感じ取ろうとする。と、別の斜面にいた仲間から「シカを撃った」との無線が入り、この日の猟は終わった。
ところで、有害鳥獣駆除として各所に仕掛けられたわなに掛かったクマを仕留めるのも猟師の仕事だ。人家から50メートルほどの場所にあるわなに掛かったクマは、前足を取られて足掻(あが)くあまり、杉の木が激しく抉り取られたという。
これこそがクマの力であり、そのクマがすぐそこにすんでいる――。
「殺すのはかわいそう」という優しいだけの言葉が虚しく響く現実が、ここにはあるのだ。