【ポスト岸田】麻生に恨まれる石破、機嫌がいい茂木の計算、なぜか小池の名も…それぞれの事情とは

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「リクルート事件」の再来とばかりに大スキャンダルに発展した「派閥パー券裏金問題」。松野博一官房長官など安倍派4閣僚が更迭され、萩生田光一政調会長など、安倍派の党幹部も辞表を提出した。岸田総理は「信頼回復のために火の玉となる」と会見で語ったものの、永田町では早くも「ポスト岸田」の名が取り沙汰されている。

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「ポスト岸田」の話で持ち切り

 今回の裏金問題について、

「パー券問題は、党内でかなりの危機感を持って受け止められています」

 と解説するのは、政治ジャーナリストの青山和弘氏だ。

「当初、岸田さんを始めとする官邸や多くの党の幹部も、ただの政治資金収支報告書への記載漏れで裏金問題まで行くとは思っていませんでした。特に今の官邸は、検察の動きが全くつかめていない。本来であれば官僚の頂点に立つ事務官房副長官が情報を集める役割を担うはずです。が、官邸関係者によると事情聴取が始まっているのに検察がどのくらいの本気度なのか、どちらに捜査が伸びそうなのか、など、大まかな情報すら掴めず機能していないということです。ですから、岸田総理の対応も後手後手に回っています」

 渦中ではこんな情報も。

「たださすがに検察も議員への本格捜査によって政治が停滞してはいけないということで官邸に極秘裏にメッセージを送りました。これは“事情聴取の前に安倍派五人衆をポストから外すこと。そして捜査に協力すれば、年明けの通常国会の前に捜査は終結させる”というものでした。ようやく危機感を持った岸田総理は、まだ誰がどういう罪で立件されるかされないかもわからない状況の中で安倍派の一掃に踏み切ったのです」

 すでに岸田総理は四面楚歌の状態だ。

「岸田さんはすでに防衛増税も先送りしましたし、この先、支持率を回復できるような政策カードがありません。総理の側近には“給付と減税が始まれば、支持率が徐々に回復する”と期待感を示す人もいますが、組織的な裏金作りの問題はそんなことでカバーできるとは思えません」

 おかげで、党内は「ポスト岸田」の話で持ち切りだという。

最有力は石破茂元幹事長か

「ポスト岸田は石破茂さんが最有力という声は党内で少なくありません。これだけのスキャンダルですと、新総裁で自民党が生まれ変わった印象を与えることが必要です。それには幹事長の茂木敏充さんや前厚労相の加藤勝信さんのような、これまで政権の中枢にいた人はふさわしくありません。そこで非主流派で無派閥でもある石破さんという声が上がってきているのです」

 しかし、党内で衆目の一致した候補かと言えば、そんなことはなく、

「石破さんがやる気満々なのは間違いないものの、“党が大変な時に鼻息を荒くしやがって”と、批判的な声もある。最近ではメディアで岸田総理の本予算成立と引き換えの退陣に言及したことはかなり顰蹙を買いました。また“政治集団は解消したらいい”と発言したことに対し、“自分だってこの前まで派閥を持っていたじゃないか”と面白く思わない議員も少なくないようです」

 では、現幹事長である茂木氏はどうか。

「周辺によると茂木さんは最近、なぜか機嫌がよく、岸田政権の窮状を見て、いざと言う時は自分のところに総理の椅子が転がり込んでくるはずだと思っているようです。先日、岸田さんが岸田派の会長を退くという考えを示した際、岸田さんは茂木派の会長を務める茂木さんも一緒に派閥を離れることを期待していたそうなんです。しかし、そうはならなかった。茂木さんからすれば、茂木派の会長でいる方が、次期総裁を射止めるために役立つと考えたのでしょう」

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