いよいよ交渉大詰め…メジャーが惚れ込んだ山本由伸のレインボー・ボールとは何か
ヤンキース、ドジャースと面談
ポスティングシステムでメジャーリーグ挑戦を目指す山本由伸(25)が、ヤンキースとの対面交渉に臨んだのは、現地時間12月11日のことだった。山本が自主トレで使うスポーツ施設のあるロサンゼルスが指定されたが、ヤンキース側はオーナーのハル・スタインブレナー氏(54)も駆けつけた。同日、球団地元放送局SNYは、
「(チームOBの)松井秀喜氏(49)と田中将大投手(35)が、山本と面談するという噂があったが、これは正確な情報ではない。彼らは同席しない」
と告げていたが、こんな噂が出回るくらい、ヤンキースは獲得に熱心なのだろう。
【写真】来年はどこのユニフォームを着るのか(オリックス・バファローズの公式Instagramより)
また12日(同)には、ドジャースとも面談。背番号「18」の提示を受け、その席には来季から移籍する大谷翔平(29)も同席したと米メディアで報じられた。
「メッツも本気です。ヤンキースを含めたこの3球団が有力だと言われていますが、カージナルス、カブス、ジャイアンツ、ダイヤモンドバックスなどの他球団も諦めたわけではありません」(米国人ライター)
米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は、山本をこう評していた。
「獲得に成功した球団は、向こう10年間エースに困らない」
NPBで3年連続投手4冠(最多勝、防御率、奪三振、勝率)、今季も2年連続となるノーヒットノーランを達成した。WBCなどの国際試合でも好投を続けてきたが、MLBでは日本とは違う視点から、その実力を認めている。
「(ドジャースの)クレイトン・カーショウ(35)を彷彿させるレインボー・ボールがある」
これは、山本のポスティングシステムの申請がされた11月21日、MLB公式サイトが伝えていた一文だ。
カーショウは通算210勝、23年シーズンも24試合に先発するなど長くドジャースを支えてきた大エースである(現FA)。速く、重量感のあるストレートと鋭角に曲がるスライダーを主軸にピッチングを組み立てていくタイプだが、大きく半円を描く軌道のカーブでバッターを翻弄してきた。大きな放物線を描く軌道から「レインボー・カーブ」「レインボー・ボール」とも呼ばれている。
山本は右投げなので、左腕のカーショウとは軌道が異なるが、対戦打者のタイミングを外し、緩急でも勝負できるピッチングが重なるというわけだ。
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