テレビ業界の定説「ジャニタレは数字を持っている」は本当なのか? 秋ドラマ視聴率を総点検

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深夜帯には若手がずらり

 深夜帯に移りたい。深夜0時以降はコアのデータがない。個人と世帯を記す。

〇テレビ朝日「単身花日」(土曜午後11時)
主演:ジャニーズWEST 重岡大毅(31)
助演:SixTONES 田中樹(28)・ジュニア 田仲陽成(15)
個人1.4%、コア0.7%、世帯2.7%

〇テレビ朝日「今日からヒットマン」(金曜午後11時15分)
主演:嵐 相葉雅紀(40)
助演:Snow Man 深澤辰哉(31)
個人2.0%、コア1.7%、世帯3.6%

〇日本テレビ「君が死ぬまであと100日」(月曜24時59分)
主演:HiHi Jets 高橋優斗(24)、同 井上瑞稀(23) ※「高」ははしごだか
個人0.7%、世帯1.4%

〇TBS「Maybe 恋が聴こえる」(月・木24時26分、火・水24時40分)
主演:HiHi Jets 橋本涼(23)
個人0.5%、世帯1.2% ※11月30日

〇毎日放送制作・TBS系「マイホームヒーロー」(火曜25時28分)
助演:なにわ男子 高橋恭平(23)
個人0.3%、世帯0.7%

〇朝日放送制作・テレビ朝日系「18歳、新妻、不倫します。」(土曜26時半)
主演:ジャニーズWEST 藤井流星(30)
個人0.3%、世帯0.7%

 深夜でテレビを観る人が減るから、とうぜん視聴率は低くなる。金曜日の場合、おおよその総個人視聴率(PUT=その時間帯にテレビを観ている人の割合)は23時台が約14%、24時台が約9%、25時台が約6%、26時台が約4%である。

深夜帯も旧ジャニ勢効果は特になし?

「単身花日」は単に不倫ドラマとする向きもあったものの、実は人間の醜い部分にまで迫ったシリアスなドラマ。重岡はさまざまな作品に出てきたが、一番似合うのはNHK「これは経費で落ちません!」(2019年)のような明るくお気楽なドラマである気がする。

「今日からヒットマン」の相葉は、サラリーマン兼ヒットマンでなおかつ恐妻家という設定。ピンチになると、いちいちビビるところが面白い。相葉の真面目なイメージに合っている。

「君が死ぬまであと100日」の高橋と井上は今後に注目といったところ。「Maybe恋が聴こえる」は声優の卵たちの青春群像劇。橋本は準主演級で声もマスクもいいという青年。おまけに性格もいい。得な役柄だ。

「マイホームヒーロー」での高橋の役柄は、殺人の濡れ衣を着せられる反社会組織の青年。正統派の二枚目で、反社もエリートも演じられるタイプ。

「18歳、新妻、不倫します。」の藤井はサラリーマン役だが、一方で殺人も計画している。甘さのない二枚目なので違和感はない。

 深夜帯も旧ジャニーズ勢効果は特に感じられない。会社が猛批判を浴び、ドラマの事前PRが十分に出来なかったことが影響しているのかも知れない。

 それとも一連の問題で視聴者離れが起きたのか。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。放送批評懇談会出版編集委員。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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