テレビ業界の定説「ジャニタレは数字を持っている」は本当なのか? 秋ドラマ視聴率を総点検

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旧ジャニ勢にパワーは感じられず

 この秋、初めてプライム帯に進出した「家政夫のミタゾノ」の数字は堅調。個人は毎週、ほぼベスト3に入る。「数字が低い」と思われるかも知れないが、デジタル録画機器の普及などにより、10年ほど前とは視聴率の基準が変わった。

 一方で初ドラマ化から9年なので、さすがにストーリーがパターン化しているようだ。また、松岡はもともと凛々しい役柄が多く、だから女装の家政婦役が新鮮だったが、見慣れてしまった。作品が転機を迎えているのではないか。

「ゼイチョー」は苦戦。同じ放送枠の前作「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」より個人が約0.5%、コアが約1%落ちている。視聴率の合格ラインは個人が3.0%、コアは2.0%程度とされているので、このダウンは大きい。

 ストーリーと菊池が演じる主人公のキャラクターが、観る側にピンと来にくかったのではないか。仕事が税を徴収する公務員ということで、軽いストーリーと主人公にしたのだろうが、緩めすぎた気がする。

きらりと光る&いつもの名助演もあるが

「マイ・セカンド・アオハル」の個人とコアの数字はギリギリ合格点。ただし、TBSは喜べないはず。恋愛ドラマに徹するこの放送枠はコア狙いなのだが、それが平凡な数字に留まっているからだ。春ドラマ「王様に捧ぐ指輪」は4%以上のコアを獲った。

 準主役級の20歳のナイーブな大学生に扮した道枝に問題は感じられない。苦戦の理由は設定が視聴者の生理に合いにくかったからだろう。30歳で大学生になった主人公役の広瀬アリス(29)と道枝は恋人同士になったが、無理があったのではないか。広瀬は既婚者役も経験済みなのだから。

 道枝は旧ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子氏(55)が最も期待していた若手だったという。もうジュリー氏の強力なバックアップは期待できないが、どこまで育つか。

「コタツがない家」で小池栄子(43)と吉岡秀隆(53)の高校3年生の長男を演じている作間は引っ張りだこになりそう。ベテラン2人に食らいつき、作品に欠かせぬ存在になっている。大人を相手にシラッと毒舌を吐く演技がいい。NHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜午後8時)での豊臣秀頼役も堂に入っている。

「たとえあなたを忘れても」の風間はいつもながらの名助演。「大奥」で大奥内のやんちゃな青年を演じた岡本は不良っぽさがうまく出ていた。

 この秋ドラマに限ると、プライム帯の作品は旧ジャニーズ勢が持っている数字がほとんど視聴率に表れていない。それが実情だ。

 なお、退所したので二宮和也(40)が主演の1人を務めるフジテレビ「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」(月曜午後9時)は除外したが、視聴率は個人3.0%、コア2.2%、世帯4.7%。低調だ。

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