テレビ業界の定説「ジャニタレは数字を持っている」は本当なのか？ 秋ドラマ視聴率を総点検
秋ドラマが終盤に差し掛かった。9月上旬に性加害と企業のガバナンスの欠落が大きな社会問題となり、混乱の中で10月に始まった旧ジャニーズ事務所（希望者が新会社「STARTO ENTERTAINMENT」に移籍）所属者のドラマが、どんな結果を残しているのか？ 全12作品の個人全体視聴率とコア視聴率、世帯視聴率を総点検した。【高堀冬彦／放送コラムニスト、ジャーナリスト】
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旧ジャニーズ勢は12作品に19人
ドラマ制作者に旧ジャニーズ勢の起用理由を問うと、大抵は同じ答えが返ってくる。
「数字を持っているから」
数字とは個人全体視聴率とコア視聴率（個人視聴率の中から13～49歳を切り取ったもの）。テレビ界にはほかに特別なデータはない。必要もない。個人全体視聴率によって、観ている人の性別、細かい年代、家族内での立場まで分かるからだ。
制作者の頭の中には、高い個人全体視聴率とコアを獲りやすい俳優の名前がインプットされているという。また、高い数字を得やすい旧ジャニーズ勢に出演してもらうには、旧同社勢の若手クラスも起用しておいたほうが得策と考えがちなので、旧同社勢はドラマによく出る。
もっとも、性加害問題が社会問題化した後は、「もう木村拓哉氏（51）くらいしか数字を持っていそうな俳優が旧ジャニーズ勢にはいない」と言われているのも事実だ。
秋ドラマへの旧ジャニーズ勢の出演者を数えたところ、実に12作品19人もいる（在京キー局、深夜ドラマも含む）。「9月上旬に世間から猛批判されたにもかかわらず、どうして降板しなかったのだ」と訝る向きもあるだろうが、ドラマの中身はおおむね1年前には固まっているから、変更はとても間に合わない。キャスティングに変化が見られるとしたら、早くても来年4月以降になる。
旧ジャニの秋ドラマ、プライム帯の視聴率は
まずプライム帯（午後7時～同11時）の視聴率から見てみたい。世帯視聴率は観た人の実数すら分からず、高齢者好みの番組ほど数値が上がってしまうというアキレス腱があるため、3年7カ月前からテレビ界では使われていないが、参考値として併記する。※最終回前は数字が上下するため、11月27～12月3日の視聴率を使用（関東地区、ビデオリサーチ調べ）
〇テレビ朝日「家政夫のミタゾノ 第6シリーズ」（火曜午後9時）
主演：TOKIO 松岡昌宏（46）
助演：Hey! Say! JUMP 伊野尾慧（33）
個人4.4％、コア2.4％、世帯7.2％
〇日本テレビ「ゼイチョー～『払えない』にはワケがある～」（土曜午後10時）
主演：Sexy Zone菊池風磨（28）
助演：Travis Japan 松田元太（24）
個人2.8％、コア1.7％、世帯5.1％ ※12月2日は放送休止のため、11月25日
〇TBS「マイ・セカンド・アオハル」（火曜午後10時）15分延長スペシャル
助演：なにわ男子 道枝駿佑（21）
個人3.0％、コア2.0％、世帯5.4％
〇日本テレビ「コタツがない家」（水曜午後10時）
助演：HiHi Jets 作間龍斗（21）、ジュニア 廣末裕理（9）
個人3.4％、コア2.1％、世帯6.0％
〇朝日放送制作・テレビ朝日系「たとえあなたを忘れても」（日曜午後10時）
助演：風間俊介（40）
個人1.9％、コア0.5％、世帯3.6％
〇NHK「大奥 season2」（火曜午後10時）
助演：岡本圭人（30）
個人2.0％、コア0.7％、世帯3.7％ ※岡本が登場した10月17日「医療編」
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