日大アメフト部“廃部”問題 「訴訟も辞さない」と憤る保護者から漏れる「こんなことなら息子を日大に行かせなかった」の声
日本大学は15日に開く臨時理事会の場で、改めてアメリカンフットボール部の「存廃」について協議する予定だ。しかし、どんな結果が出るにしろ、これまでの経緯に不信の念を強める関係者の不満は爆発寸前——。すでに新たな騒動の“火種”がくすぶり始めているという。
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アメフト部の「廃部」決定を見送った12月1日の理事会から、わずか2週間で開催される今回の臨時理事会。その協議結果に注目が集まるなか、廃部を阻止する動きも活発化している。
「この間、アメフト部の廃部方針撤回を求めてオンラインでの署名活動が行われてきましたが、14日には3万筆を超える署名が日大の競技スポーツ部に提出されました。日大の現役部員やライバルの関西学院大OBからも“廃部反対”の要望書などが出されており、臨時理事会の判断にどう影響を与えるかが注視されています」(取材を続ける民放キー局記者)
一方、すでに大麻など違法薬物に関連して日大アメフト部員3人が逮捕、1人が書類送検されている現状から、「廃部やむなし」との意見も一部では根強いという。
「執行部内で“廃部強硬派”の急先鋒と見られているのが、益子俊志・スポーツ科学部長です。益子氏は4日に大学が開いた会見の席で、一連の事件が『集団的、常習的犯罪』の疑いがあるとし、また6日の部員への説明会でも『なぜ自分たちで是正できなかった』と突き放すような発言をして物議をかもした。そんな益子氏の姿勢に同調し、執行部のなかには“廃部にしなければ世間が納得しない”と考えるメンバーもいるそうです」(同)
「スポーツ特待生」の悲憤
思惑が入り乱れる日大内に対して、不安とやりきれない想いを抱え続けているのがアメフト部員とその保護者たちだ。日大アメフト部OBの一人がこう話す。
「そもそも最初にアメフト部に“大麻疑惑”が持ち上がったのは昨年10月のことです。保護者から“寮内での大麻使用”を疑う情報が寄せられたにもかかわらず、部員へのヒアリング調査などを実施しただけで、大学側は問題にきちんと対処しなかった。そのため、1年生部員の親御さんからは『知っていれば当然、息子は日大を選んでいなかった』との声が上がっています」
入学前に“疑惑”が浮上していた事実を知らされなかったことが「重大な背信行為」と映るのには理由がある。
「日大アメフト部の主力選手にはスポーツ推薦で入った特待生が少なくありません。彼らは日大以外からも声が掛かるなど、他の大学へ進学する選択肢もあったなかで日大を選んだ経緯がある。だから1年生部員やその保護者を中心に“騙されたようなものだ”と憤りの声が沸き上がっているのです」(OB)
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