“小学生は5000円”が相場? 議論を呼ぶ「お年玉」の適正価格、地方在住のネット編集者が膝を打った「解決方法」とは

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おひねり方式

 あと、各人の経済状況は人それぞれなので、子供達には「〇〇おじさんからは1万円もらったけど、××おじさんからは1000円しかくれなかったー!」などと無邪気に言わないよう、お子さんがいる方は指導するのも必要かもしれません。もはや「大人だからってたくさんお金を持っている時代」ではないのですから。

 そんな中、「これは解決方法かもしれない」と思ったのが「おひねり方式」と「祝儀方式」です。

 2022年の正月と2023年の正月、私は佐賀県唐津市の農家・山崎幸治さんの実家に行き、今年も行かせてもらう予定です。その際、大勢の子供達がやってきます。農家の豪邸のため、とにかく人が大勢集まる。山崎さんの3人の姉・妹一家やいとこ一家も来るため、相場通りの「5000円」を各自に渡したら下手すりゃ全部で10万円かかる。

 山崎家は特にお年玉を渡しても渡さなくても良いような空気感があるのですが、その代わり、子供達がカラオケを披露したら、「おひねり」をあげるシステムになっています。中が見えない箱を各自持っていて、歌が気に入ったら大人は自分の払いたい金額を箱に入れる。100円を入れてもバレませんし、1000円札を一枚入れればそれで大人としての体面は保てる。何しろ誰がいくら入れたのだかが分からないのだから。

 そして、「祝儀方式」ですが、なんらかのめでたい状況にある子がカラオケをしたら多めに入れる。昨年、野球特待生で高校入学が決定した中学3年生がいたのですが、彼には「おめでとう、よくやった!」と1万円を箱に入れました。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

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