ベテラン議員が明かす「裏金作り」の理由 特捜部の標的となる三人の大物議員の名前は?
事務総長らの関与
前出の落合弁護士が補足する。
「一部の派閥では、各議員へのノルマ額やキックバックの金額を記載したリストがあるとも報じられています。そうしたリストは事務局長などが個人的に不記載分を着服していたわけではないと示す目的で、きちんと上司に報告するために作っていた可能性が高い。つまりその場合、事務局長は事務総長ら派閥の幹部に逐一お金の流れを報告していた、とも考えられます」
派閥幹部がキックバックのシステムを主導的に管理するなどして積極的に派閥の裏金作りに関与していた可能性があるとの指摘だ。
先のベテラン記者は、
「12月中旬の臨時国会閉会後にも、清和会の事務総長経験者に加えて、ノルマ超過分を不記載にしていた複数の議員に対して、任意での事情聴取が始まるものとみられます」
加えて、政治資金パーティー問題は岸田総理自身にも飛び火し始めている。
「国民の疑惑を招きかねない大規模なパーティーは自粛すべし、という01年の大臣規範があります。しかし、岸田総理は昨年、合計7回の政治資金パーティーを開催。総額で約1億5千万円の収入を得ていたことが明るみに出ています」(前出・社会部デスク)
高級ホテルでパーティー三昧、多額の資金を労せず集める総理には、物価高で苦しむ庶民の気持ちを理解するなど土台無理な話か。
政治アナリストの伊藤惇夫氏は、
「今の展開はリクルート事件を思い出させます。当時は竹下総理が辞任に追い込まれましたが、岸田総理もパー券の問題に無関係ではない。今後の展開次第では辞任論も浮上するでしょう」
一大疑獄はまだ幕を開けたばかり。事態は底なしの様相を呈してきた。
[6/6ページ]