ベテラン議員が明かす「裏金作り」の理由 特捜部の標的となる三人の大物議員の名前は?
現役閣僚、党の中心メンバーもターゲットに
もっとも、最強の捜査機関に容赦などない。
「清和会の会計責任者である事務局長だけではなく、その上の現職事務総長と事務総長経験者が特捜部のターゲットになっています」(前出・社会部デスク)
政治資金規正法違反(不記載・虚偽記載)の時効は5年である。この間、松野博一官房長官(61)が2019年9月から21年10月まで、西村康稔経済産業相(61)が22年8月まで、さらにその後、高木毅自民党国対委員長(67)が現在まで事務総長を務めている。つまり、
「政権No.2の官房長官以下、現役閣僚、党の中心メンバーが狙われているわけです。彼らは萩生田光一政調会長(60)や世耕弘成参院幹事長(61)とともに“清和会5人衆”として、最大派閥を率いる立場でもあります」(同)
捜査の指揮役は
だがしかし、仮にも岸田政権の枢軸を担う三名だ。立件ともなれば、それこそ政権は致命的なダメージを負う。特捜部にそんな捜査が本当にできるのか。社会部のベテラン記者が言う。
「事実上、捜査を取り仕切っているのは最高検の森本宏刑事部長(56)です。森本氏は特捜部長時代に文部科学省汚職事件やカルロス・ゴーン事件を手掛けた剛腕で知られています」
続けて、
「東京地検特捜部は10年に起きた大阪地検特捜部の不祥事のあおりを受けて、体制縮小を余儀なくされた。具体的には独自捜査を担う特殊・直告班が2班から1班になったのです。その結果、バッジ(国会議員)を挙げることができない時代が続いたのですが、森本氏が特捜部長だった19年にIR汚職事件で秋元司元衆議院議員を検挙。10年ぶりに現職国会議員の首級を挙げることに成功しました」
その森本氏は今、部下の検事たちに次のようにハッパをかけているという。
「事務方を立件するだけでは絶対にダメだからな」
つまり、議員も立件せよとの厳命だ。法務省関係者が明かす。
「森本氏は安倍派に司直のメスを入れる機会をうかがっていた節があります」
なぜか。話は安倍政権時代に遡る。
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