ベテラン議員が明かす「裏金作り」の理由 特捜部の標的となる三人の大物議員の名前は?

国内 政治

  • ブックマーク

キックバックについて認めたが…

 安倍派の塩谷立座長(73)は先月30日、記者団からキックバックについて問われた際、「あったことはあったと思う」と認めたものの、その後一転「撤回したい」と述べて疑惑を否定した。だが、自民党関係者は声を潜めて以下のように語る。

「安倍派では各議員が販売したパー券について、事務方が時間をかけて、議員ごとにその販売枚数を集計していました。そして集計後、事務方が各議員事務所に連絡を入れて、議員事務所のスタッフらを清和会の事務所に呼び出すのです」

 安倍派の販売ノルマは1回生なら60万円。閣僚経験者なら400万円以上で、最高額は750万円だが、

「よほど多額でない限り、ノルマ超過分については、事務所で封筒に入った現金で渡されます。その際、返金の受け手は受取書にサインをする。これまで受取書は、清和会の事務所で保管されてきたと聞いています」(同)

裏金化は事実

 塩谷座長がいかに釈明しようと、安倍派がノルマ超過分に関して、キックバックを通じて裏金化していたのは揺るがぬ事実であろう。

 実際、安倍派の重鎮も、

「党のコンプライアンス担当から、それはもうやめた方がいいという指導はありました」

 と述べて、これまでキックバックがあったこと自体は認めるのである。

 一方、安倍派所属のベテラン議員に聞くと、

「基本的には、キックバックされたお金を自分で使うようなことはしません。きちんと、お金は自己管理でプールする。そしてパー券のノルマが達成できなそうな年に、そのお金で補填する。ノルマ超過分のお金については一時的に手元にとどめてはいますが、あくまで清和会のお金であると考えていた」

 裏金作りの「理由」をそう明かしたうえで、以下のように派内の声を代弁する。

「原資が税金なら問題です。けれど今取り沙汰されているのは、われわれが一所懸命支援者にお願いして買ってもらった、パー券の売り上げの処理の仕方。税金の不正使用ではないのだから、こんなふうに盛んに報じられることには疑問を持ちます」

次ページ:現役閣僚、党の中心メンバーもターゲットに

前へ 1 2 3 4 5 次へ

[2/6ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。