投げる哲学者・今永昇太のメジャー入り戦略 代理人は“大谷人気”を使って元巨人投手をMLBに復帰させた辣腕
「投げる哲学者」とバッテリーを組むのは?
「来年、31歳を迎えます。千賀滉大(30)も30歳で渡米しており、年齢的にも伸びしろがなくなると、2、3年の契約でまとめようとする球団も少なくありません。今永と代理人は長期契約を勝ち取り、新しい環境に慣れるまでの時間も確保したいようです」(前出・同)
現地では「フィリーズが今永を高く評価している」との報道もあり、前出のニ―ロ氏が所属するオクタゴン・ワールドワイドの日本人スタッフによれば、「約10球団が興味を示している」という。だが、具体的な契約年数については日米双方のメディアが報じていない。
「ドジャースはフリードマン編成本部長が、カブスはホイヤー編成本部長が来日し、今永の登板試合を視察していました。レンジャーズ、カージナルス、ダイヤモンドバックスなども今永の調査を進めていました」(DeNA関係者)
編成本部長クラスが視察するということは、獲得交渉が前提の最終調査と見ていい。フィリーズとの交渉が進めば、WBC決勝戦で対峙したカイル・シュワバー(30)、トレイ・ターナー(30)、J.T.リアルミュート(32)らのスタープレーヤーたちがチームメイトになる。
とくに捕手のリアルミュートは19年と22年に、“守備のタイトル”であるゴールドグラブ賞と“打撃のタイトル”のシルバースラッガー賞を同時獲得した、走攻守のすべてに優れたスーパーキャッチャーである。エースのアーロン・ノラ(30)が不振からの脱出を目指していた21年には、彼が登板した28試合にマスクを被ってサポートもしている。「投手に寄り添う」が信条のリアルミュートとは、気が合うのではないだろうか。
ちなみに、今永とリアルミュートのWBC決勝戦での対戦成績は1打数1安打。レフト前にクリーンヒットが放たれている。
「千賀がメッツと結んだ5年7500万ドル(約112億円)を、今永サイドは交渉の最低ラインと見ているようです。金額面ならおそらく、カブス、ヤンキースがいちばん高いと思います」(前出・米国人ライター)