「父は延命治療を望まなかったので…」 脚本家・山田太一さんの長男が明かす晩年
「感慨深げな表情が、今でも…」
折しも氏の代表作『異人たちとの夏』はイギリス人監督によって映画化が進められ、来春、公開されることが決まっている。
石坂さんが言う。
「10月のこと。ついに世界に羽ばたいた父の作品を元気なうちに見せてあげたいと、完成したばかりのものを特別に届けていただき、病室で家族そろって鑑賞しました。途中で眠くなってしまうかなと思いましたが、父はラストまでじ~っと観ていた。終わってからしばらくの間に見せた感慨深げな表情が、今でも目に焼き付いています」
「全身脚本家」として駆け抜けた、89年の生涯だった。