防衛費増額のウラで「2000億円」巨額助成金に“身内びいき”の声 「防衛装備庁」が進める“民間排除”の法人選定スキーム
結論ありきのスキームか
いまも装備庁は、サイトに、親しみやすさを演出する動物のキャラを登場させて、公募への参加を募っている。
「装備庁は来年1月22日に支援法人の選定を終えるとしています。つまり、これから応募しても年末年始の長期休暇の影響で、実質的な選定作業は30日にも満たないでしょう。そんな拙速な作業で巨額の予算を託す法人を精査できるのか。やはり、BSKという結論ありきでスキームが組まれたと考えるのが自然です」
BSKに取材を申し込むと、以下の回答が寄せられた。
<指定装備移転支援法人については、防衛装備庁から示されている公募要領及び先般実施された説明会によれば、応募者の提出する申請資料について防衛装備庁において審査の上で決定するものと認識しているが、いずれにせよ、現在は公募期間中であり、ご質問につき当協会としてコメントすることは適切ではないためお答えは差し控えさせいただきたい>
改めて言うまでもなく、装備品の移転は日本の安全保障を強化するための重要政策だ。東京五輪を舞台にした汚職で逮捕者を出し、国の威信に傷をつけた広告代理店や、米政府の紐付きである外資のコンサル会社に業務を丸投げして良いはずがない。一連の経緯からは、防衛当局者たちが初めて手にする巨額の防衛費に浮かれているようにも見える。
「かつて欧州を緊張状態に置いた“世界の安全保障の最前線”は、中国が第一列島線と呼ぶ九州南部からボルネオ島までの南北のライン。その中国は尖閣諸島の周辺で日本の領海への侵入を繰り返しており、北朝鮮は核兵器の保有を宣言し、ロシアから技術協力を得て弾道ミサイルの発射実験も成功させた。日本が財政難に苦しみながらも、段階的に43兆円まで防衛費を増額することを決めた背景には、こうした国家の安全を脅かす現実的な脅威が迫っているからに他なりません」
その予算を不透明な選考によって身内で私するようなことになれば、防衛当局に対する国民の信頼はすぐに失墜することになる。
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