防衛費増額のウラで「2000億円」巨額助成金に“身内びいき”の声 「防衛装備庁」が進める“民間排除”の法人選定スキーム

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身内以外は相手にしない“排除の論理”

 別の防衛産業幹部が呆れた様子で指摘する。

「まず<〇防衛関連企業において><●防衛省・自衛隊において>とある時点で、対象者はかなり限定される。と言うより、OBを受け入れていない法人は応募を諦めざるを得ないでしょう」

<これまでに国又は地方公共団体の補助金により造成された基金の管理を実施したことがあるか>との条件もあるが、

「国や自治体の補助金に関する設問も、同様に身内以外は相手にしない“排除の論理”にほかなりません」

 手前勝手に見える装備庁の“屁理屈”はなおも続く。

<装備移転仕様等調整の内容を技術的に理解できる能力を有する者として、装備移転支援業務を実施する部門に適切な人材が充てられているか>との項目がそれだ。前出の例と同様に、ここでも<〇装備品等の設計、開発又は製造に関わる分野において博士号を取得した者><●防衛省・自衛隊において仕様書作成業務又は監督検査業務に携わった経験のある者>と付記されている。

 このように例を挙げればキリはないが、ほかにも<情報セキュリティに関する深い知見が必要となる他機関等への国際的な情報セキュリティ認証(ISO27001等)を与える権限を有するか><申請法人において、情報処理安全確保支援士として登録されている職員はいるか>など、民間企業や設立から間もない法人には満たすことがほぼ不可能な厳しい条件がさり気なく設定されている。しかも、これら<加点項目>には、それぞれ何点なのかという基準も明らかにされていない。

「これでは、装備庁が恣意的な採点をしても検証はできません。役所の裁量ですべてが決まる可能性も否定できず、公募そのものの正当性や透明性が著しく損なわれてしまいますね」

 わずかに配慮の痕跡に見えるのが、<装備移転支援業務を実施する部門の長に民間出身者が充てられているか>という項目だ。

「これは不自然と言うか、唐突な印象が強い。他の項目が露骨にOBの関与を求めているから、わざわざ<民間人>という文言を使ってガス抜きを図っているとしか思えません」

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