中国「ゼロコロナ解除」から1年、帰国した日本人は皆「数年前までの自信満々の雰囲気はどこへ」と…数々の統計で浮かぶ苦境

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既にデフレ経済入りか

 中国国家統計局が12月9日に発表した11月の消費者物価指数(CPI)は2カ月連続で前年比マイナスとなった。下落率は0.5%と、2020年11月以来、約3年ぶりの大きさだった。

 雇用や所得への不安を抱える家計の財布のひもは固い。自動車などの耐久財が値下がりするとともに、航空チケット代などもマイナスに転じた。

 家計の購買力を示すとされる「食品とエネルギーを除くコア指数」は0.6%の上昇にとどまった。新型コロナのパンデミック前は1%台半ばから後半の伸びだったが、このところ1%以下で推移している。

 11月の生産者物価指数(PPI)も前年に比べて3.0%下落した。1年2カ月連続の低下で、マイナス幅は10月の2.6%から拡大した。

 中国人民銀行は「長期的なデフレを生む要素はない」としているが、この傾向は来年以降も続くことが予測されている。

 中国は既にデフレ経済入りしたと言っても過言ではない状況だ。デフレ化の元凶とも言える不動産市場には改善の兆しが見えてこない。

公務員になりたがる若者たち

 引き金となった中国恒大集団の経営再建の目途は一向に立たない。関係者からは「この問題を先送りしている中国政府の姿勢がかえって景気低迷を長期化させる要因となる」との批判が高まっている。

 不動産不況は、地方政府で働く公務員の懐に大打撃を与えている。

 地方政府では、土地使用権の売却収入が収入の約4割を占めていた。この収入が激減したことで公務員への賃金未払いが常態化し、多くの都市では半年間も続いているという (12月4日付朝日新聞)。

 だが、皮肉な現象も起きている。大卒でも4割が職に就けないとされる若者の間で、空前の公務員ブームが生まれているのだ。

 11月26日に行われた国家公務員試験の共通科目筆記試験は、採用予定人数3万9600人に対して受験者数は303万3000人と、史上初めて300万人を突破した。競争倍率は約77倍である。

 難関を突破すれば安定した生活が保障される時代は、もう終わった感も強い。だが、若者たちは「溺れる者 は藁をもすがる」気持ちなのだろう。

 雇用市場におけるミスマッチもさらに悪化する可能性が高い。来年夏に卒業する大学生や大学院生は前年比21万人増の1179万人と、過去最多を更新する見通しだからだ。

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