“ルフィ事件”で急浮上する「女性リーダー」の素性 日本・フィリピン間の犯罪コネクションのキーパーソンに
今村被告と署内で会話したJPドラゴン
「新たな位置付けを設定したあたり、警察は今回の件を象徴的な事件として取り上げたいという狙いもあるのかもしれません。少し毛色は違いますが、当局が連携して追い詰めた工藤会事件を彷彿とさせました」(同)
一方、指示役の逮捕後も現地に残ったメンバーらが犯罪行為を続けていたり、そもそもルフィのさらなる上役が存在していたり、と当局が捜査の手を緩めることはないとされる。
「つい先日、フィリピンを拠点にした犯罪組織・JPドラゴンの幹部と原宿署で勾留中の今村被告とのビデオ通話の模様が流出し、物議を醸しました」(同)
JPドラゴンについてはこれまで何度か触れてきたが、改めて竹垣悟氏(NPO法人主宰、元山口組系暴力団組長)に解説してもらおう。
「一味の特殊詐欺の実態をよく知っていた人物が語ったところによると、グループを統率するさらなる上役として、序列の順にA、B、そしてCがいるそうです。Cは6代目山口組の3次団体の幹部と深い間柄だということで、今村被告が原宿署でビデオ通話した相手だと聞いています」
神戸山口組との関係
序列トップのAは徳島県出身の50代前半の男で、表向きフィリピンで日本料理店のオーナーを務める一方で特殊詐欺に手を染めていて、収入の大部分はそちらだという。
「神戸山口組の井上邦雄組長と盃をかわしているということでした。Aのフィリピンの自宅には結構な大きさに拡大された井上組長のポートレイトが飾られており、見た者はAと神戸山口組とは一心同体だとの認識を持つことでしょう。神戸の威を借りてビジネスを進めてきたように映ります」(同)
さらにナンバー2のBは現在50歳で、フィリピンで日本食レストランを経営しているという。Aと井上組長とが盃をかわした席にはBもいたようだ。
もっとも、盃をかわしたといっても正式なものではなく、Aらが神戸山口組の威光を利用していたという面があるのでは、というのが竹垣氏の見立てである。
厄介なのは、彼らの拠点が日本ではないため、捜査の手がなかなか及ばない点だろう。
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