裏金問題でピンチの岸田総理は朝日新聞の統一教会報道に失望している……側近が朝日記者に抗議でわかった大混乱

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 いまや、岸田政権の屋台骨を揺るがす大スキャンダルと化した「派閥パーティー券問題」の一方で、官邸が神経を尖らせているのが、岸田文雄総理が統一教会の関係者と面会したという報道だ。

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松野官房長官のイライラ

 派閥パー券問題の疑惑が政権を直撃し、岸田政権は追い詰められるばかりだ。

 組織的に多額の裏金を作り出していたことが発覚している安倍派には、総理の女房役である松野博一官房長官や党の政策を統べる萩生田光一政調会長らが所属。ほかにも政権と党の要職に同派のベテラン議員が名を連ねている。

 12月9日付の読売新聞は

〈松野氏 更迭へ〉

 と一面で報じ、派閥パーティー収入のうち1000万円超を松野氏に還流させ、政治資金収支報告書に記載していないことを報じた。そこで岸田総理は政権の要でもある松野氏を事実上、更迭することにした、としている。

「パー券問題に関する松野さんのイライラは相当でした」

 とは、政治部デスク。

「11月から12月にかけて官邸記者にオフレコで取材に応じた際も、意図的にこの話題を避けようとしていました。安倍派の座長である塩谷立さんがぶら下がりで会見している旨を伝えても、“派閥のことはわからない”“塩谷さんは何を言っているんだろうね”と他人事のように話していました。萩生田さんら安倍派の5人衆が何を話し合っているかを聞いても、“5人衆と言うと、ワルモノみたいじゃないか”と不機嫌になる始末です。そもそも、酒好きの松野さんは飲み会帰りに記者のぶら下がりに応対するのを嫌って、夜回りが禁止になっています。そのため、官邸内でオフレコの取材を受けてくれるのですが、このパー券問題については正式の会見以外の場でも、とにかく口が重かったんです」

「どなたがおられたのか承知していない」

 実は官邸がピリピリしているもう一つの案件がある。朝日新聞が報じた「旧統一教会問題」だ。

 朝日新聞は12月4日の一面で「首相、旧統一教会系と面会」との見出しで2019年、岸田総理が政調会長だった時に、旧統一教会の友好団体トップと面会していたことを報じている。

 記事によれば、岸田総理は19年10月4日に自民党本部で来日していたニュート・ギングリッチ元アメリカ下院議長と会談。その際、旧統一教会の友好団体である「天宙平和連合(UPF)ジャパン」のトップである梶栗正義議長、UPFインターナショナル会長のマイケル・ジェンキンス氏も同席した。5日には4人が並んだ写真を「関係者提供」として掲載している。

 岸田総理はこの報道があった4日、キングリッチ氏との面会については認めた上で、

「大勢の同行者がいて、どなたがおられたかについては承知していない」

「名刺交換をしたか、同行者の方と何をしたか、覚えていない」

 と、旧統一教会の関係者と認識していなかったと記者団に釈明した。

 これまで自民党議員に対して、旧統一教会との関係を絶つ、として岸田総理は徹底的な点検を求めてきた。にもかかわらず、総理自身が過去に、教団関係者と会談していたとなれば、「自身の点検が足りなかった」ということになる。

 しかし、この報道に激怒したのは、当の官邸だったのである。

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