岸田首相は旧統一教会系団体幹部との面会報道に「記憶にない」の一点張り 「解散請求への腹いせ」「菅さんはすべて知っているはず」

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 派閥の裏金問題で揺れに揺れる岸田政権に、さらなる打撃である。総理自らに、旧統一教会幹部との面会報道。もはや「記憶にない」の決まり文句では逃げ切れない事態にまで追い詰められているのだ。

“証拠写真”まで

 騒動の発端となったのは、12月4日付朝日新聞のスクープ記事だった。〈「首相、旧統一教会系と面会」 関係者証言 19年 政調会長時代〉との見出しが1面トップに踊り、当時政調会長だった岸田文雄氏が、来日中のギングリッチ元米下院議長と面談した際、旧統一教会の友好団体「天宙平和連合(UPF)ジャパン」のトップも同席していたという関係者証言が大々的に報じられたのだ。岸田首相といえば、自身の教団との関係性を否定し続けただけでなく、教団との関わりを問題視された山際大志郎経済再生担当大臣を更迭したこともあった。

 報道直後、岸田首相は「どなたがおられたかは承知していない」と語った。ところが、4日の翌日の朝日新聞は、岸田氏、ギングリッチ氏、そしてUPFジャパントップの梶栗正義氏と、米国の統一教会元会長の計4人が写る、いわば“証拠写真”を掲載したのだ。それでも岸田首相は、「記憶にない」と言い続けている。

「菅さんは知っているはず」

「朝日らしいスクープでしたね。4日時点では写真を出さなかったのは、あえて1日泳がせたということでしょう」

 そう話すのは、元参議院議員で、統一教会に詳しいジャーナリストの有田芳生氏。

「岸田さんはこれまで、『私の知る限りは教団とは関係がない』と言い続けてきたわけですが、実は接点があったことが明るみに出ました。UPFとは、統一教会の教祖、文鮮明夫妻が創設した団体で、実際は教団と表裏一体。政治家らとコネクションをつくるための“隠れ蓑”ですから、このトップと面会していたとあれば、その説明から逃げてはいけません。証拠となる写真まで出ているのに、『記憶にない』の一点張りでは、国民は納得しませんよ。まあ、関係を認めたら認めたで叩かれるのが目に見えていますから、岸田さんはそう貫くしかないのかもしれませんが……」

 そしてこう続ける。

「特に明らかにしなければならないのは、どういうルートで岸田さんに面会の話が来たのかということです。朝日の取材によれば、どうやら“安倍元総理の日程が合わなかったから話がまわってきた”ということのようですが、たしかにこのとき、安倍さんはかなり統一教会に傾倒している時期でした。当時の公設第一秘書とUPFが、安倍さんと教団のそれぞれの窓口となって、密にやりとりが行われていたんですね。教団イベントへの議員の参加や、『教団の票を誰に差配するか』という話も、このルートで行われたことなんです」

 では、やはり安倍元総理の指示による面会なのか。

「安倍さんと教団のこうした関係を危険視していたのが、当時の菅官房長官です。両者の距離が近づきすぎないよう、菅さんは調整に相当気を揉んでいたようです。そして今回問題になった面会は、2019年10月4日。つまりは参院本会議で、総理の所信表明演説が行われた日です。そんな予定が前々からわかっていなかったはずはありませんから、もしかしたら、アポイントがこの日に設定されるよう菅さんが手を回し、安倍さんが面会できないよう取り計らったのではないかと思うのです。少なくとも、菅さんはこの面会の経緯をすべて知っているはずです」

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