1000万人を処刑したロシアの「大粛清」――なぜ人びとは無実の罪を認め、許しを請うて処刑されたのか
およそ1000万人が処刑されたというロシアの「大粛清」。ソ連の最高指導者スターリンにパージされた人びとの多くは、不思議なことに、無実の罪を認め、そして許しを請うて処刑されという。
なぜ人びとは犯してもない罪を認め、許しを請うたのか――その背景には、共産主義特有の「終末論的楽観論」がある。戦後日本を代表する国際政治学者・高坂正堯(1934~1996年)氏の「幻の名講演」を初めて書籍化した新刊『歴史としての二十世紀』(新潮選書)から、一部を再編集して紹介しよう。...