「ブギウギ」は助演キャストも粒ぞろい 知名度と認知度を大幅アップさせそうな5人は

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演技力は折り紙付きの安井順平

【安井順平(49):辛島一平役】
 戦火が拡大するまでスズ子が所属した梅丸楽劇団(UGD)の制作部長。ロイド眼鏡をかけ、いかにもマジメそうな風体なのだが、どこかユーモラスで、時にクスリとさせてくれる。

 安井はもともとお笑いの人なので、笑わせ方を心得ている。1995年、杉崎真宏(49)とコント中心のお笑いコンビ「アクシャン」を結成した。その活動を7年で停止し、2007年からは俳優として舞台に立つ。

 俳優としては順風満帆。劇団「イキウメ」に参加し、2014年には演劇界の権威ある賞、読売演劇大賞の優秀男優賞を受賞した。

 一方、朝ドラは3作目。「半分、青い。」(2018年度上期)では、豊川悦司(62)演じる人気少女漫画家・秋風羽織によく怒られる大手出版社の編集者・真鍋を演じた。気弱そうで、存在自体がコミカルだった。

「ちむどんどん」(2022年上期)にも出ていた。出番は少なかったものの、沖縄料理店の出店を目指すヒロイン・比嘉暢子(黒島結菜・26)の担当銀行員・坂田を演じた。なぜか常に慌てていて、やっぱりユーモラスな男だった。

 演技力は折り紙付きだから、今後は益々活躍するに違いない。

嫌味がなく、視聴者に好感を持たれる陰山泰

【陰山泰(67):一井(いちい)役】
 トランペット奏者でUGDのバンドマスター。スズ子が「ラッパと娘」を歌う際には脇に立ち、吹いていた。第45回、スズ子が「福来スズ子とその楽団」の結成を決意すると、一井を真っ先に誘った。それに対して一井は愉快そうに笑った後、快諾した。

 陰山は早稲田大学出身。在学中は早稲田演劇研究会のスターだった。後輩の堺雅人(50)と一緒だ。陰山の場合、在学中の女子大生ファンの多さが伝説化しているという。卒業後は劇団「遊◎機械/全自動シアター」を経て、ドラマ、映画にも進出した。

 朝ドラは4作目。スタッフの信頼の表れにほかならない。「梅ちゃん先生」(2012年度上期)では、ヒロインの下村梅子(堀北真希・35)が勤務する大学病院の教授・三枝を演じた。

「ひよっこ」(2017年度上期)ではヒロインの谷田部みね子(有村架純・30)が勤務する中小電機メーカーの寮の料理人・森和夫に、「なつぞら」(2019年度上期)ではヒロインの奥原なつ(広瀬すず・25)と深く関わる東京・新宿のレストランの料理長・杉本平助に扮した。

 嫌味がないから、いつも視聴者に好感を持たれる。「ブギウギ」への出演でさらに人気が高まりそう。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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