「ブギウギ」は助演キャストも粒ぞろい 知名度と認知度を大幅アップさせそうな5人は
子供のころから映像漬けの黒崎煌代
【黒崎煌代:花田六郎役】
スズ子の3歳下の弟。純粋でやさしいが、ちょっと鈍い。飼っている亀が大好きだった。子供のころからスズ子を「ねえやん、ねえやん」と慕い、それは第22回に血縁がないと分かった後も変わらなかった。第38回、スズ子に「わい、死にとうないわ」と言い残し、出征。第46回に戦死の報せが届いた。1941年のことだった。
黒崎の演技は熟達しているように見える。しかし、これがドラマのデビュー作。映画も「テン・ストーリーズ」(2023年7月公開)と「さよなら ほやマン」(同11月公開)にしか出ていない。
昨年、羽田美智子(55)や中村蒼(32)がいる現在の所属事務所が行った俳優オーディションで約5000人の中から選ばれ、芸能界入りしたばかり。「ブギウギ」の六郎役もオーディションで得た。
出身は神戸。父親が映像に関する仕事をしていた時期があることから、自宅には映画のDVDが山ほどあったという。本人も子供のころから映画が好きで、地元の進学高に通っていた3年間は映像制作に打ち込んだ。文化祭では友人と短編サスペンスドラマを制作し、最優秀賞を受賞した。
「アホ役」で知られた藤山寛美さんが名優だったように、鈍い男を演じるのは難しい。黒崎は役作りを相当、考えた上で演じていたようだ。
「六郎はバカ、アホだと言われているが、バカだと思って演じるのは違うと考え、六郎はただピュアなんだと考えるようにした」(黒崎、10月31日付「神戸新聞」)
次回作はどんな役柄で、どう役作りをするのか。
役柄の幅が広い伊原六花
【伊原六花(24):秋山美月役】
大阪の梅丸少女歌劇団(USK)でスズ子の後輩。東京の梅丸楽劇団(UGD)でも一緒だったが、振り付け担当者で好かれていた中山史郎(小栗基裕・36)と考え方が合わぬことから、USKに戻った。
伊原が大阪府立登美丘高校ダンス部のキャプテンだったのは知られている通り。名門ダンス部だ。卒業後は大学進学を考えていたが、高3だった2017年に広瀬すず(25)がいる現在の所属事務所にスカウトされ、芸能界入り。翌2018年、土屋太鳳(28)が主演したドラマ版「チア☆ダン」(TBS)でデビューした。
演技が堂に入っているのは9歳の時からミュージカルを習っていたからでもあるだろう。また、役柄の幅が広い。洗練されたイメージがあるが、コメディもイケる。
2020年のドラマ「どんぶり委員長」(BSテレ東)では、女王様的キャラクターの学級委員長なのに、同級生の男子がつくったどんぶり料理の虜になってしまう女子高生を演じ、笑わせた。
動画配信サービス・ディズニープラスのオリジナルドラマ「シコふんじゃった!」(2022年)では主演。女子相撲部員に扮し、まわし姿とシコに初挑戦した。まわしが不思議なくらい似合い、シコも美しかった。
今回の秋山は舞台の上では男役。これも初めてだが、違和感がない。まだまだ伸びしろがありそう。
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