佳子さま南米・ペルーご訪問を支えた「宮内庁式部職」とは 前式部官長は生田斗真の元親戚、ルーツは「源氏物語」にも

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「機密費」の流用で処分も

 川島氏は次官時代、「ロジ担」と称されたノンキャリアの外務省事務官による機密費流用事件で責任を問われ、処分される不運に見舞われる。一方、上皇陛下は在位中、魚類の分類を研究する生物学者としての実績が認められ、生物分類学の権威であるリンネの業績を称えて設立されたリンネ協会から名誉会員としてリンネ生誕300年を記念した行事に招待され、2007年5月にリンネ誕生の地・スウェーデンなど欧州5カ国をご歴訪。式部官長として同行した川島氏は、現地で同行記者団を前にして、

「(スウェーデン出身の)博物学者・リンネが『分類学の父』として世界的に知られていることは皆さんもよくご存じの通りで、リンネの誕生日に当たる今日(23日)、陛下はウプサラ大聖堂内の墓碑前でグスタフ国王とともにリンネの業績をしのばれ、大変感激されたご様子だった。この旅は陛下にとって本当に有意義なものになると私も確信した」

 と、興奮気味に語っていたという。

 07年6月に就任した原口氏は09年10月4日午後0時35分ごろ、新潟県糸魚川市の雨飾山(1963メートル)の山頂付近で登山中に倒れ、搬送先の病院で死亡が確認された。死因は急性心臓死だった。原口氏は宮内庁職員6人とふもとの山荘を出発し、同日中に下山する予定だった。就任からわずか2年余というあまりにも短期間での突然の訃報に、心から驚いたものだ。

 小田野氏は16年5月に皇太子家を支える東宮職トップの東宮大夫に就任。お代替わりに伴って天皇皇后両陛下の初代侍従長となり、一連の即位関連行事を取り仕切った。

 また渡辺氏や秋元氏も外務省時代に務めた儀典長は、プロトコル(国際儀礼)を担当し、皇室の方々のご外遊について宮内庁との調整を担う。皇籍離脱した旧賀陽宮家出身の賀陽正憲氏は天皇陛下のご学友で、宮内庁式部職勤務から儀典長をバックアップする外務省儀典官室勤務に転じた。

 ペルーで笑顔を絶やさず交流される様子を、現地メディアに「微笑みのプリンセス」と報じられた佳子さま。その佳子さまが現地住民に歓待されるよう環境を整えてご外遊を成功に導いた重要セクションの先頭に立つ式部官長、これを補佐する式部副長(外事)と儀典長というトライアングルが下支えするからこそ“皇室外交”は成り立っているのである。

朝霞保人(あさか・やすひと)
皇室ジャーナリスト。主に紙媒体でロイヤルファミリーの記事などを執筆する。

デイリー新潮編集部

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