趣里は「身体表現のレベルが半端じゃない」 朝ドラのレジェンド・三林京子が絶賛

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お世話になった大御所たち

 中学2年で児童劇団を卒団した後は、高校卒業まで長期休暇のたびに東京へと赴き、戦前から戦後にかけて活躍した大女優・山田五十鈴に師事した。

「私の師匠は山田先生です。しかし、山田先生ご本人が細かく演技を教えてくれたわけではありません。あくまでも“見て盗みなさい”というご指導でした。ただし、山田先生の周りにはあの頃、乙羽信子さんや長谷川一夫さん、三國連太郎さん、森雅之さんなど一流の方々が集っておりまして、“いろいろな人に聞いて勉強しなさい”と言われていました」

 そこで、若き日の三林は自ら積極的に教えを請うて回ったという。

「中でも三木のり平さんにはお世話になりました。三木さんは新劇出身の喜劇役者でしたが、歌舞伎や文楽などあらゆるお芝居に精通していました。聞きに行くと例えば、同一のシーンでも“これなら3パターンの演じ方がある”といった話をしてくださるんです。お芝居の演じ分け方についての教えは、今でも鮮明に覚えています」

朝ドラのヒロインの話が破談に

 香川照之(58)の母親で宝塚歌劇団出身の浜木綿子(はまゆうこ・88)からは、自分を美しく見せる術を学んだとか。

「私はメイクが下手だったので、浜さんに聞きに行くんです。すると“こういう時は何番を塗るといいのよ”と教えてくださる。さすがは元宝塚です」

 高校卒業に際して劇作家の菊田一夫に見いだされ、早速70年に芸術座で初舞台を踏み、舞台女優としてデビューを果たした。

「菊田先生は師匠ではないのですが、この芸名を付けてくださり、ご存命の時はずっと舞台に出していただきました。実は私、ある朝ドラでヒロイン役に決まったことがあったのですが、菊田先生から“基礎ができていないのにテレビの世界に行ったら下手になる”とNGを出され、破談になったのです。当時の私はもうテレビには出られないと思っていましたよ」

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