6千人の頂点に立つ「電話応対」日本一のトークとは? 営業と分かっていても追加注文したくなる声

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 最近は会社に電話を掛けても音声案内ばかりで、代表電話そのものがなかったりする。味気ない時代になってしまったと思ったら、こちらは別世界だった。

「第62回電話応対コンクール全国大会in札幌」が開催されたのは去る10月の末。半世紀以上の歴史を誇るイベントとはどんなものなのか。主催する(公財)「日本電信電話ユーザ協会」に聞いてみる。

「コンクールは、電話でお客さんとやり取りする際の応対技術の向上を図るために行われてきたものです。今年の参加は約6千人ですが、コロナ禍前は全国で1万人超の参加者がいました。やることはといえば、まず協会からテーマが出題される。それに対し、参加者がいかにスムーズかつ的確に電話説明ができるかを競うのです」(担当者)

制限時間3分で相手に適した商品を紹介

 例えば、今年は食事の宅配サービスがテーマ。参加者は営業担当の役になり、「客」を演じる相手に電話。注文フォームの備考欄に書かれた〈食事制限があります〉という一文から会話の糸口をつかむ。そこから事情を具体的に聞き出し、相手に適した商品の紹介をするというもの。制限時間は3分。年によってはクレーム対応を試す出題もある。

「地区大会から始まり、それに勝った人が全国大会に進みます。大会は午前10時半から午後4時過ぎまで。印象やコミュニケーション力など6項目にわたって審査員が細かく採点する。優勝、準優勝のほか優秀賞が18人選ばれます」(同)

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