視聴者の「NHK紅白」離れが好影響も…TBS「WBC特番」が業界で注目を集める理由

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TBSに吹く追い風

 この特番には“追い風”となる要素もある。

 6月2日、WBC優勝までの軌跡を追ったドキュメンタリー映画「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」が公開された。当初、3週間限定の予定だったが、公開から10日ほどで観客動員が35万人を突破し、1週間の延長が決定。6月29日までの上映と、全国83館での追加上映も決定した。今月16日午後8時から、テレビ朝日系列で地上波初放送もされる。

 また、同作は現在、Amazon Prime Video(アマプラ)で配信されているが、1000件を超える評価が付けられ、最高評価の「星5つ」が90%以上を占めるという圧倒的な高評価が付いている。

「ネット配信であるアマプラを見ている人たちが、そう簡単に地上波テレビ番組を見るとは考えにくいので、TBSとしては、映画では紹介されていないWBCの裏側を存分に組み込んだ編成にしているはず。さらに、出場選手が当時を振り返るトークは、野球好きにとってはたまらないはず。かなり満足度の高い番組になりそうで、そうでなければわざわざ大みそかに放送しないでしょう」(同前)

 同作を見直してから大みそかの特番を見る視聴者も多そうだが、肝心なのは、中居以外の当日の出演者だ。

「監督として侍ジャパンを率いた栗山英樹氏は紅白から審査員のオファーもありそうだが、WBCには思い入れがあるだけに、WBC特番を優先するはずです。国内でプレーする選手にはオファーがすんなり行きそうですが、メジャーの選手はレッドソックスの吉田正尚、一躍日本で人気者になったカージナルスの、ラーズ・ヌートバーはブッキングできるのではないでしょうか」(TBS関係者)

 TBSといえば、03年の大みそかに放送した「K-1 PREMIUM 2003 Dynamite!!」にて、メインイベントのボブ・サップと元横綱・曙の試合の瞬間最高視聴率が43.0%を記録し、紅白歌合戦を超える快挙を達成したことがある。

 野球にたとえるなら、“グランドスラム(満塁ホームラン)”を放ったようなものだが、再びそうなるのかどうかは、やはりあの男にかかっているようだ。

「なかなか難しいだろうが、エンゼルスからの移籍先が注目される大谷翔平をブッキングできるかどうかがカギですね。さすがに、生出演の可能性はなさそうだが、メジャーリーグのMVP発表のように、愛犬のコーイケルホンディエを抱いて、自宅からのリモート出演ならイケそうかもしれない。大谷が出演すれば、その瞬間、視聴率は驚くほど跳ね上がるでしょうから」(同)

 TBS佐々木社長も会見で「色々なスクープがいっぱいあるんじゃないかなと期待しております」と語っていた。大谷という“切り札”を持つWBC特番は、他局にとって脅威になりそうだ。

デイリー新潮編集部

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