日曜劇場「下剋上球児」に高校野球ファンが不満を抱く理由
無免許教師
「実写に突然アニメが挿入されると、興ざめしますからね。日曜劇場には『ルーズヴェルト・ゲーム』という社会人野球を描いたドラマがありましたが、こちらは人間ドラマが中心ながら野球シーンも丁寧に描かれていて、野球ドラマとして十分に見応えがありました。『下剋上球児』は、そもそも野球シーンに重きを置いていなかったのかもしれません」
野球に重きを置かないとは?
「野球シーンや球児たちにスポットを当てるのではなく、その周りの大人たちにスポットを当てる人間ドラマの作品にしたかったのでしょう。前半で物語の主軸となった鈴木亮平が教員免許を偽造したことに葛藤するところとか……。もっとも、このサイドストーリーは原作にはありませんが」
教師が無免とは意外だったが、創作だったのか。
「なぜ無免許教師にしたかったのかはわかりませんが、リアルではないストーリーが足を引っ張り、選手の成長やチームが強くなる過程が雑になっているのだと思います。そのため野球ファンが付いていかなかったのでしょう」
最高視聴率19・6%を記録した前作「VIVANT」と比べるのは酷かもしれないが、初回の10・8%が最高とはかなり厳しい。
「視聴率10%でも低いと言われてしまうのが日曜劇場です。県大会もベスト8まで進み、いよいよ甲子園出場に向け野球シーンが増えるはずですが、数字が上がるかどうか……」