「10代の頃のように遊び、大人としての悩みを抱えて過ごした」ハワイでの日々 小説家・深沢仁が明かす

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初めての「車で遠いところに連れ出してくれる友人」

 2020年『この夏のこともどうせ忘れる』で高校生が選ぶ天竜文学賞を受賞した、小説家の深沢仁さん。近著『眠れない夜にみる夢は』も話題の彼女が音楽とともに思い出す、ハワイでの「逃避と現実の境目のような日々」とは――。

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 記憶と密接に結びついているのは、私の場合、匂いではなくて音楽だ。特に高校生のとき、アメリカ留学中に出会った友人Rとの思い出には、自分でも驚くほど鮮明に、BGMがいっしょに浮かぶ。これは私にとって、彼女が初めての「車で遠いところに連れ出してくれる友人」だったからかもしれない(米国では大半の州で16歳から免許を取得できる)。...

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