【どうする家康】ハマった石田三成と見当はずれの徳川秀忠 わかりやすいキャラクター設定が生んだ落とし穴

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 豊臣秀吉(ムロツヨシ)は、この人物がもつ狂気がこれまでになく描出されて、秀吉らしい秀吉だった。石田三成(中村七之助)も、理想に燃えながら融通が利かずに周囲の反発を買うところに、この男はこうだったはずだと思わせる説得力があった。しかし、徳川家康(松本潤)の嫡男で将軍職を継承した秀忠(森崎ウィン)は、よくいわれる「凡庸」を通り越して「愚鈍」に描かれ、違和感しか覚えない。NHK大河ドラマ『どうする家康』の話である。

 三成は、たとえば第40回「天下人家康」で、秀吉恩顧の大名たちの恨みを買って襲撃され、その責任をとって居城の佐和山(滋賀県彦根市)に退く際、「私はまちがったことはしておりませぬ。...

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