オリックスが狙っていた韓国MVP投手がホワイトソックスへ…48億円「由伸マネー」はどこで使う?
「由伸マネー」をどこで使うか?
ポスティングシステムのルールによれば、山本がこのまま総額2億ドル以上の契約を結んだ場合、獲得に成功したMLB球団はオリックスに対し、譲渡金として約48億円を支払わなければならない。オリックスは、左の先発投手・山崎福也(31)がFAで日本ハムへ移籍しており、この山本マネーを元手に、ビッグネームや先発投手を補強してくると思われていたからだ。
「今のところ、投手の目立った補強は、日本ハムとの交換トレードで得た吉田輝星(22)だけ。オリックスの先発陣には宮城大弥(22)、新人王を獲った山下舜平大(21)、田嶋大樹(27)、東晃平(23)、曽谷龍平(23)などが残っていますが、山本と山崎の2人が挙げた今季の27勝分を埋めるのは容易ではありません」(在阪記者)
日本のプロ野球界には、まだスイーパーの使い手はいない。オリックスがフェッドを獲得していたら、一大ブームを巻き起こす可能性もあったわけだが、韓国球界から獲得した投手というと、「苦い経験」を持つ球団も少なくない。巨人は19年オフにKBOのSKワイバーンズから獲得したエンジェル・サンチェス(34=現パドレスマイナー)が「2年総額6億8000万円」に見合う活躍ができず、ヤクルトのアンドリュー・スアレス(31=カージナルスマイナー)、阪神のラウル・アルカンタラ(31=韓国・斗山ベアーズ)なども好成績を残せなかった。ソフトバンク、ヤクルトに在籍したリック・バンデンハーク(38=22年引退)のような成功例は少ない。
「KBOはメジャーリーグと同じボールを公式球としており、NPBとは異なります。クイックモーションができない投手も多い」(在京球団スタッフ)
フェッドの契約は約22億5000万円。由伸マネーのあるオリックスなら十分に対抗できたわけだが、「そこまでは払えない」と判断したのだろう。とはいえ、山本、山崎を喪失したまま24年シーズンを迎えるとは思えない。
「千葉ロッテがヤンキースのリリーバー、ジミー・コルデロ(32)を獲得しました。コルデロはDV事件で今季途中から出場停止処分に下されていました。再起の場を求めている大物投手がNPBに関心を見せています。契約の過程でいったん自由契約になったトレバー・バウアー(32)の動向も気になります」(前出・同)
オリックスはいつ、由伸マネーを使ってくるのだろうか。