オリックスが狙っていた韓国MVP投手がホワイトソックスへ…48億円「由伸マネー」はどこで使う?
スイーパーの使い手
「22年オフに、横曲がりの大きいスライダーの一種である、スイーパーをマスターしたんです。それが面白いように決まるようになった」(前出・同)
ナショナルズ時代はチェンジアップやシンカーで、ゴロ・アウトを狙っていくタイプだった。21年シーズンからそのシンカーを有効に使うため、カーブやカットボールなどの新しい球種をマスターしていったが、ストレートは最速で150キロが出るか出ないかのレベル。メジャーリーグでは「打ってください」のスピードだった。だが、新たに習得したスイーパーで投球スタイルもガラリと変わった。
スイーパーといえば、今季前半、エンゼルスの大谷が多投し、勝ち星を伸ばしている。フェッドもその曲がり幅の大きい特性を活かし、KBOの主力バッターたちを翻弄させた。
「MLBでもスイーパー対策を模索中です。右バッターはインコースに来たと思ったら、外角に逃げていき、左バッターは外角のボール球だと思ったら、自身の膝元まで食い込んでくる」(米国人ライター)
“別人”となったフェッドのもとには、メジャースカウトや、NPBの関係者も集まり始めた。韓国のスポーツメディア「SPOTV News」はその様子をこう伝えていた。
「海外のスカウトからも熱視線を注がれたなかで、とくに日本からの関心は大きい。8、9月にはほぼ登板ごと に複数の日本球団関係者がいたほど、かなり具体的なスカウティングが進められていた。当初はオリックスの関心が最も大きいものだったが、最近では日本球界で最高の名門である巨人が強い興味を示している」
他にもソフトバンクも興味を示していたが、韓国のメディア関係者の間では、オリックスが優勢と見られていたという。
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