日テレ「世界一受けたい授業」「SHOWチャンネル」終了で世代交代の波 「イッテQ」「行列のできる相談所」も危なくなってきた
二桁を割り、個人でも敗れる
「『イッテQ』はかつて世帯視聴率20%超を誇り、バラエティ番組の王様として君臨していました。ところが、18年10月、テレ朝が同時間帯に『ポツンと一軒家』(朝日放送テレビ制作)をスタートさせると、徐々に『イッテQ』に迫ってきました。世帯視聴率は抜かれるようになったものの、個人視聴率とコア視聴率(13~49歳の個人視聴率)では圧倒していました。ところが、11月に入ると個人でも敗れるようになり、世帯は10%を切るまでに落ち込み始めたのです」
●11月5日
「イッテQ」 個人6・0%、世帯8・2%
「ポツンと」 個人6・0%、世帯10・6%
●11月12日
「イッテQ」 個人7・3%、世帯9・6%
「ポツンと」 個人7・5%、世帯12・6%
●11月19日
「イッテQ」個人6・5%、世帯9・0%
「ポツンと」個人6・8%、世帯11・5%
「『行列のできる相談所』はもっと苦しい。ウラ番組のTBSの日曜劇場が『VIVANT』の時は仕方がないと思っていましたが、今期の『下剋上球児』になっても一桁は変わりません」
一体どうしたのだろう。
「まず、番組が賞味期限切れに近づいているということでしょう。『イッテQ』は07年スタート、『行列』に至っては02年スタートで初代のMCは島田紳助さん(67)でした。いくら人気番組でも飽きられる時はいずれくるものです」
他にも理由が。
次世代の演出家
「作り手の世代交代の波が来たのだと思います。演出は日テレが誇る両エースですが、昔ながらのベタな番組の作り方が通用しなくなった。例えば、『SHOWチャンネル』や『行列』では数字が取れるグルメ路線に舵を切ったものの、他の番組と内容が変わらなくなったため、さらに視聴者が離れました。『イッテQ』はマンネリでしょうね。イモトアヤコ(37)は結婚により稼働が減り、代わりの宮川大輔(51)の“世界の祭り”も珍しくなくなり、出川哲朗(59)やデヴィ夫人(83)の滑稽さにも慣れてしまった。常に驚きと感動がなければ、視聴者はよそ見を始めるものです」
人気番組を終了させて新番組を作るのもなかなか大変なはずだが、
「すでに世代交代は進み、次代の若い演出家が育ってきています。例えば、『THE突破ファイル』(木曜19:00~19:54)や『沸騰ワード10』(金曜19:56~20:54)などを手がける水嶋陽氏が演出した番組は、旧世代とは明らかに違う作りです。『突破ファイル』での人気芸人による迫真の再現ドラマは、ドラマ部の応援を一切仰がず、しかも一発撮りだそうです。『沸騰ワード』でハンコ屋と名字研究家が対決する“名字頂上決戦”、タサン志麻さん(44)が訪問宅にある食材を駆使して絶品料理を振る舞う“伝説の家政婦・志麻さん”といった企画は、誰も思いつかないものです。取材VTRとスタジオとの切り替えも変幻自在。昨年スタートした『カズレーザーと学ぶ。』(火曜22:00~23:00)も今までなかった世界観で、題材で被る『世界一受けたい授業』の終了を早めた要因かもしれません」
女性スタッフも伸びている。
「『上田と女が吠える夜』(水曜21:00~21:54)の前川瞳美は、ウラの『相棒』(テレ朝)を苦しめています。来年元日の特番も決まったと聞きます。日テレの勢いが落ちているように見えるかもしれませんが、すでに頼りになる若手が育っています」