創価学会元理事長「長男」が間近で見た池田大作氏 「君は結婚とかすんの?」と声を掛けられ…幹部は過剰な忖度 二つの素顔とは

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何気ない一言を弟子が過剰に解釈

「当たり前のことですが、学会本部で職員たちを前にする池田氏は、決して楽しいだけのおじさんではなかった。どちらかというと、厳しくて、時には怒ったりすることもあったと記憶しています。ただ、独裁者のように当たり散らすわけではなく、“傲慢になるな”“会員たちのおかげで自分たちの今の生活があるかを絶対に忘れるな”ということを徹底していた。厳しい中にもスジは通っていたのです。晩年の池田氏もとにかく“それで会員たちが付いて行けるのか”“悲しむ会員が出ないのか”ということを気にし続けていたと聞きますから」

 確かに我欲にまみれるだけの指導者であれば、創価学会をここまで巨大な教団に成長させることはできなかったかもしれない。しかし、光あるところに陰あり、である。正木氏の目には池田氏の“負の側面”も映っていた。

「学会では、幹部を集めた講演などで池田氏が何かを発言するたびに全員が挙手をしながら“ハイッ!”と返事をする習慣があったんです。まるでナチスドイツの“ハイル・ヒトラー!”のようで、私はこれが本当に苦手でした。幹部たちが池田氏に忖度した結果、生まれた行動なのかもしれませんが、少なくとも私が幼少期から見てきた気さくな池田氏との乖離に、失望すら感じたのをよく覚えています。実は、学会にはこの手の“忖度”が多々あって、何気ない池田氏の一言を弟子が過剰に解釈し、新たな“伝統”が作り出されてしまう。例えば、多くの女性幹部が重要な集会などで着用するパステルカラーのスーツもそう。遠くから見るとお花畑のように見えるこの“ドレスコード”は、かつて池田氏が“女性の服装が地味だ”と指摘したことがきっかけだったといいます。池田氏は“そんなに肩ひじ張った服装じゃなくても”くらいの気持ちだったかもしれませんが、それを聞いた弟子たちは一気にパステルカラーに振り切り、そうすることが正しい伝統かのように錯覚してしまう。このエピソードが象徴するように、彼の“カリスマ”も多分に周囲が作り上げた部分が大きいように思うのです。池田氏にも、自身をカリスマ視しようとする風潮に乗っかってしまった面はあるのでしょう。でも、彼の内実はあくまで“笑いを取るのが上手な、気さくなおじさん”に過ぎなかったのではないでしょうか」

デイリー新潮編集部

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